1995年 1996年 1997年  1998年    

     2000年 大島哲蔵さんと佐藤敏宏の私信交換   home 

 1月 2月 3月 4月 5月 6月 7月 8月 9月 10月 11月 12月

01 02 03 04 05 06 07 08 09 10 11 12 13 14 15 
16 17 18 19 20 21 22 23 24 25 26 27 28 29 30 31 


2000年4月10日 15:08
 
大島哲蔵様

我が家の庭に植えた桜の枝の蕾も少し咲き始め、今年は花見が出来そうです。「我が家で花見」には14〜5年かかりましたね。福島もようやく春らしい風が吹き出しました。

マタマタ朝日ファインが出ましたので送ります。工事が遅れていて、4月の建築あそびを5月末最終土曜日に変更しました。ほとんど成り行き任せで間違いもそのままとし、計画性や調整を傍観する態度で現場を観ていますが、従来の窮屈な設計感とは異なる視線が生まれ楽しいです。

千万家はあらかじめ完成した姿を持たない(断念する)ところから始まり、設計図はあくまでもガイドラインのようなものとして忘れる。現場での即興的印象や間違いを再度付加し構築する。でたとこ勝負のように見えるが、生のダイナミズムを現場から消失させないことが大切、と考えて開始したのでした。断念ではなく発見だつたと今は思っています。

砂丘に波紋が現れる様に自然の力に身を任せる。風が現場で起こる 全ての関係、砂が現場に集まる物、波紋が建築。

ですから計画(調整)することの意味やその範囲を再考する事にしました。従来の設計範囲なんて勘違いの産物ようなもので、視線を宇宙船から電子顕微鏡の範囲に拡張した場合、従来の視線は狭すぎて、情けないほどの勘違いの産物であることが解ります。勿論 調整不可能ですから、意図的にその範囲を限定する仮説性が設計行為なのでした。 建築は未体験な明日を物と光と人によって生まれる揺らぎをいったん固定する行為なのかもしれません。取りあえず固定するだけです。

コーリンロウの透明性については、物を配列固定する建築家にとって魅力的指摘であつたことはよくわかりました。またその呪縛もです。映像的処理や建築の表面の問題に収斂する事なども同様に納得いたしました。

余り抽象的探求ばかりですと問題がありそうなので 私は物が 人に与えてしまう、そのことをいろいろ思って観ることにします。主体の再発見につきるのかもしれません。


2000年4月16日 1:00
eメールはやめたのでしょうか。FAXが届いていて一寸驚きました。

福島は桜がようやく4分咲さきです。今日は雨が降り出して週末の花見には不
向きです。

FAX有り難うございました。近大でも講義ようやく始まりましたか。いずれ播いた言葉が花になり実になり、その地に根付くことを祈念いたします。人との関係が殺風景になるばかりですが、少しでも若い人に希望を持たす生き様を示さなければ、私たち大人は無能のそしりを免れることは出来ないでしょう。

県内一の進学校から講演の依頼が有りどうしようかと迷っていますが、保守的な教育現場でさえ変化を望んでいるのでしょうね。唯識論者が陥る問題点は今更どうこう言いたくありませんが、それに変わる人の存在が見あたらないのが寂しい限りです。

そろそろ私もOMAやMVRDVのことを勉強しないといけないかもしれませんね。


●2000年4月17日 14:05
大島哲蔵様

千万家の完成は5月中頃です。今度の施工は大工さんなので、工程管理を打ち合わせることさえままならね。 打ち合わせをして工事をしたことがないような大工さんで、成り行き任せのような状態です。これも楽しいことです。

いつものことですが、作っている現物の事など誰も理解していないことが、笑えるものです。

工事は3月末を4月末のばしましたが、どうなるやらです。皆さんに興味を持って頂け感謝いたします。大阪で大口をたたいたのですから成長した私の言葉の数々と再会することは楽しみです。

最近航空運賃も自由化され前予約だと夜行バスとかわらのジャないでしょうか。

ウエダマコトさんに見に来てもらう事になりました。5月27日です。この日は仙台のヤエガシさん達をよんで、例の建築あそびを千万家で予定しています。

大勢で建築の話をするのも楽しいですね。0を一つ借りるのでここで寝ればOKです。

今月末になるとほぼ完成時期が判明いたします。朝日ファインは23日に出るのでその時にでも連絡いたします。




●2000年4月17日18:01
佐藤敏宏様

最近は毎日やりとりしているので、数通ずつ通信があり少し時間があるときなど格好の息抜きになってます。

ところで千万家はいつ頃竣工ですか? こないだサエキニイナがやってきて、見に行きたいというので、夜行バスででも行こうかと思うのですが......

コウケ君やミズノかなも行くようなこと言ってました。私は本当は桜の時期に行きたかった!

反唯識者の列に加わるのは賛成です。ただそれには周囲がもっと軽やかであって欲しいのですが......

この土曜に「建築の憤死」というタイトルでまたレクチュアーをします。あまり気が進まないのですが...... 資金稼ぎの必要もあって

大島哲蔵



2000年4月21日 17:32

大島哲蔵様

今日は花冷えでとても寒い一日です。その後いかがお過ごしですか。

朝日ファインを送ります。次回5月14日で工事のレポートは終わりです。「最終の姿形は現場に来ないと解らない」と言うことになりそうです。

工事が遅れても文句も言えない、言わないことにしているのでそのようになります。完成の写真は撮りますからその時に送ります。

レポートが続いたことで、高校の講演にお呼びがかかりました。先生の勉強会です。12月1日です。忘れそうな先の話しです。


●2000年4月25日 0:42

佐藤敏宏様

6月初旬に行こうかなと思います。入居の関係でまずいでしょうか?建築あそびとは違うときの方がゆっくり見られそうなので。

ファインのローカル記事は我々には結構新鮮です。いつも見ていたら慣れてしまうでしょうが。現場を放し飼いにしているようですが、それでカッコ良くなったら画期的ですね。建設の解体という感じでしょうか?

今年は桜をゆっくり見れませんでした。どうも身辺があわただしく動いています。(良くも悪しくも) 人間は生きている間は心の安まるときはありまへんな!期待が大きいのに金もポストもないのがこたえます。大口を叩くので余計身に沁みます。

まわりにヤングが多くて活気があっていいのですが、ほとんど展望と金のない人ばっかりなので大変です。タケシ軍団のようですが、映画監督とは彼も考えたものです。そういうところだけは天才です。正業につけない人の吹き溜まりとして。

またコンタクトします。 ヨロシク! 大島哲蔵



●2000年4月25日 22:28
大島哲蔵様

遠い所見に来ていただくのは恐縮いたします。建築遊びの時は話してる時間が余り無いともったいないので、時期をずらした方が賢明ですね。7月末だと桃があります。

コチラはいつでも大丈夫です。骨と皮だけの建築ですが。それなりに楽しんで、建て主さんがお茶を出しています。2〜3日で大工さんの仕事は終了。外壁のトタン貼りとガラスはめ込みで終了です。ペンキは建て主が塗ることになるので、しばらくかかるでしょうか。

現場放し飼い状態ですね。誰が指示をしてるのか皆目解らない、と言っても工務店の社長が指示してるんですが。これが滅法常識的な我流で笑えます。笑いながらいい加減に作っても、何とか見られる姿になれば良いです。

いつでもおいで下さいませ。よろしく

  2000年 5月へ