和歌と俳句

良寛

わがためと君がつみてし初若菜見れば雪間に春ぞ知らるる

風さそふ柳のもとにまとゐして遊ぶ春日は心のどけし

山すげのねもころころに今日の日を引きとどめなん青柳のいと

さやぎあるはかた柳の緑さへ色うれはしく見え渡るかも

山吹の花のさかりはすぎにけり親しき人をまつとせしまに

山吹の花のさかりに我が来れば蛙鳴くなり此の川のべに

小山田の門田の田居になくかはづ聲なつかしき此の夕べかも

草の庵に足さしのべて小山田の山田のかはづ聞くが楽しさ

あしびきの山田の原にかはづ鳴くひとりぬる夜のいねられなくに

春雨の降りし夕べは小山田に蛙鳴くなり聲めづらしも

百鳥の鳴く我が里はいつしかも蛙の聲となりにけるかな

あしびきの片山影の夕月夜ほのかみ見ゆる山梨の花

あしびきの山べに住めばすべをなみしきみつみつつこの日暮らしつ

この宮の森の木下に子供らとあそぶ春日になりにけらしも

この宮の森の木下に子供らと手まりつきつつ暮しぬるかな

この里に手まりつきつつ子供らと遊ぶ春日は暮れずともよし

霞たつながき春日に子供らと手毬つきつつこの日暮しつ

あづさ弓春の山べに子供らとつみしかたこをたべば如何あらん

春のぬのかすめる中をわが来ればをちかた里に駒ぞいななく

佐渡が島山は霞の眉引きて夕日まばゆき春の海原

春の日に海のおもてを見渡せば霞に見ゆる天の釣り舟

ひさがたの空よりわたる春の日はいかにのどかけきものにぞありける

春の夜の朧月夜の一と時に誰がさかしらに値つけけん

むらぎもの心楽しも春の日に鳥のむらがり遊ぶを見れば

みつかでは我がとめ行けばあづさ弓春のぬ末にうかぶかげろふ

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