和歌と俳句

万葉集

巻第一

  天皇遊猟内野時 中皇命使間人連老
八隅知之 我大王乃 朝庭 取撫賜  夕庭 伊縁立之 御執乃 梓弓之  奈加弭乃 音為奈利 朝猟尓 今立須良思  暮猟尓 今他田渚良之 御執能 梓弓之  奈加弭乃  音為奈里

  反歌
玉剋春内乃大野尓馬数而朝布麻須等六其草深野

天皇、宇智の野に遊猟したまふ時に、中皇命の間人連老をして献らしめたまふ歌
やすみしし 我が大君の 朝には 取り撫でたまひ 夕には い寄り立たしし み執らしの 梓の弓の 中弭の 音すなり 朝狩に 今立たすらし 夕狩に 今立たすらし み執らしの 梓の弓の 中弭の 音すなり

  反歌
たまきはる宇智の大野に馬並めて朝踏ますらむその草深野

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