和歌と俳句

大津皇子

万葉集・巻第二
足日木乃 山之四付二 妹待跡 吾立所沾 山之四付二

あしひきの 山のしづくに 妹待つと 我れ立ち濡れぬ 山のしづくに

万葉集・巻第二
大船之 津守之占尓 将告登波 益為尓知而 我二人宿之

大船の 津守が占に 告らさむとは まさしの知りて 我がふたり寝し

万葉集・巻第三
百傳 磐余池尓 鳴鴨乎 今日耳見哉 雲隠去牟

百伝ふ 磐余の池に 鳴く鴨を 今日のみ見てや 雲隠りなむ

経毛無 緯毛不定 未通女等之 織黄葉尓 霜莫零

経もなく 緯も定めず 娘子らが 織る黄葉に 霜な降りそね