和歌と俳句

鏡王女

万葉集・巻第二・相聞
秋山之樹下隠逝水乃吾許曽益目御念従者

秋山の木の下隠り行く水の我れこそ増さめ思ほすよりは

万葉集・巻第二・相聞
玉匣覆乎安美開而行者君名者雖有名之惜裳

玉櫛笥覆ひを易み明けていなば君が名はあれど我が名し惜しも

万葉集・巻第四・相聞
風乎太尓戀流乏之風小谷将来登時待者何香将嘆

風をだに恋ふるは羨し風をだに来むとし待たば何か歎かむ

神奈備乃伊波瀬乃社之喚子鳥痛莫鳴吾戀益

神なびの石瀬の社の呼子鳥いたくな鳴きそ我が恋まさる