和歌と俳句

万葉集

巻第一

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  明日香清御原宮天皇代 天渟中原瀛真人天皇謚曰天武天皇

明日香の清御原の宮の天皇の代 アマノヌナハラオキノノマヒトノスメラミコト謚して天武天皇といふ

   十市皇女参赴於伊勢神宮時 見波多横山巌吹■刀自作歌
河上乃湯都盤村二草武左受常丹毛翼名常処女煮手

十市皇女、伊勢の神宮に参赴ます時に、波多の横山の巖を見て、吹■刀自の作る歌
川の上のゆつ岩群に草生さず 常にもがもな常処女にて

吹■刀自未詳也 
但紀曰 天皇四年乙亥春二月乙亥朔丁亥 十市皇女阿閉皇女参赴於伊勢神宮

吹■刀自はいまだ詳らかにあらず
ただし 紀には 天皇の四年乙亥の朔の丁亥に 十市皇女・阿閉皇女 伊勢の神宮に参赴ます。といふ