和歌と俳句

五十嵐播水

元朝や今年ものぼる白鷺城

試筆する二日の友に来りけり

気の置けぬ二日の客や姪甥等

飄然と君が賀状や支那とのみ

新妻の友の賀状もちらほらと

たまたまに来る患者や鏡餅

お降りにほとほと濡れて縁むすび

みたらしに杓の灯影や初詣

初詣妻にかはりて願ごと

長病の母さびしさや鏡餅

古里に父母在す雑煮かな

渚波しづかに奏で飾り焚く

蜑が戸や風に歪める掛飾

いみじくも奏ずるかけひ初詣

鏡餅岩にのせあり貴船道

年礼の鞍馬村長戻り来る

天竜寺賀客の沓の二つ三つ

初湯出てかるたの客を待つばかり

眼前に東山あり初句会

須磨の浦朝凪ぎわたる飾焚き