和歌と俳句

川端茅舎

初春の二時うつ島の旅情かな

初凪の岩より舟に乗れといふ

初富士や崖の鵯どり谺して

初富士や石段下りて稚児ケ淵

羽子板も法の盾かや観世音

初観音紅梅焼のにほひかな

廻ぐる日の色麗かや寝正月

ふだらくの初観音へ川蒸汽