秋晴や藪の中なる御陵道
汽車過ぎてもとの山河や天の川
天の川流れ変りぬ白鷺城
秋水に映れる歯朶の葉裏かな
水澄んで何時か萍なかりけり
月未だ色に出でざる花野かな
鰯雲茜さし来て美はしき
十夜寺裏へまはれば月夜かな
鐘撞くは掃きゐし僧や秋の寺
客あらば使ふ厠や秋の寺
鳴きやめば虫またもとの高ゥな
鯊の潮一連よぎる小河豚かな
枝豆をおせばつぶてや口の中
曼珠沙華折る子に柩通りけり
木の実降る寺塀添ひにのぼりけり
頂上にてつがるる酒や茸莚
教会や蔦紅葉して日曜日