隠棲や鬼灯熟るる草の中
肩の上にいつも仔猫や菊いぢり
早咲きの萩にのぼるや紀三井寺
萩を見てあれば灯りぬ双林寺
雨の萩盛りはすこし過ぎたれど
萩叢をうつり消えたる夕陽かな
鞍馬路をはさみて萩の寺二つ
唐辛子色に出でたり花圃荒るる
一面の真葛ヶ原の黄ばみそむ
コスモスの遠くなりゆく渡舟かな
七滝の三滝は見ゆる紅葉かな
戻りくる木馬に逢ひぬ紅葉狩
葭の花葭切鳴かずなりにけり
竜胆に人里遠くなりにけり
手伝ひの赤万女将茸莚
大いなる二つの釜の茸飯
茸山を下りてここに水迅し