登筑波岳丹比真人國人作歌一首并短歌
鶏之鳴 東國尓 高山者 左波尓雖有 朋神之 貴山乃 儕立乃 見果石山跡 神代従 人之言嗣
國見為 筑羽乃山矣 冬木成 時敷時跡 不見而往者 益而戀石見 雪消為 山道尚矣 名積叙吾来煎
反歌
築羽根矣 ?耳見乍 有金手 雪消乃道矣 名積来有鴨
筑波が岳に登りて 丹比真人國人が作る歌一首并せて短歌
鶏が鳴く 東の国に 高山は さはに有れども ふた神の 貴き山の 並み立ちの 見が欲し山と
神代より 人の言ひ嗣ぎ 国見する 筑波の山を 冬こもり 時じき時と 見ずてゆかば まして恋しみ
雪消する 山道すらを なづみぞ吾が来る
反歌
筑波嶺を よそのみ見つつ ありかねて 雪消の道を なづみけるかも
山部宿祢赤人歌一首
吾屋戸尓 韓藍種生之 雖干 不懲而亦毛 将蒔登曾念
わがやどに 韓藍まき生ほし 枯れぬれど 懲りずてまたも 蒔かむとぞおもふ