和歌と俳句

源頼政

君が代は 千尋のそこの さざれ石の うのゐる程に あらはるるまで

君が代を なににたとへむ 思へども はてなきものの あらばこそあらめ

むかしより おきけるちりの 山なれど 君が御代にぞ 雲はかかれる

をののえを くたす山人 かへりきて みるとも君が 御代はかはらじ

春の日の しづかに照らす 庭のおもの 松の千歳に 君おとらめや

千歳まで われをみよとや 君が代の ひさしにちかく まつたてるらむ

君が代は 長柄の橋を 千たびまで つくりかへても 尚やふりなむ

行く年の 津守の浜の 浜松も 君が齢に たちは並ばじ

あまたたび 君ぞ見るべき 海は山 山は白波 たちかはる代を