古集
荒磯越す波を畏み淡路島見ずか過ぎなむここだ近きを
新古今集・雑歌 躬恒
淡路にてあはとはるかに見し月の近きこよひはところがらかも
頼政
住吉の 松のこまより 見渡せば 月おちかかる あはぢしまやま
西行
淡路島瀬戸のなごろは高くともこの潮にだに押し渡らばや
新古今集・春 俊惠
春といへば霞にけりな昨日まで波間に見えし淡路島山
新古今集・秋 慈円
秋ふかき淡路の島のありあけにかたぶく月をおくる浦かぜ
実朝
淡路島かよふ千鳥のしばしばもはねかくまなくこひやわたらむ
続後撰集・冬 千五百番歌合に 前大納言忠良
淡路島 なみもてゆへる 山の端に こほりて月の さえわたるかな
定家
あはぢしま往来の舟のともがほに通ひなれたる浦ちどりかな
新勅撰集・雑歌 中院入道右大臣雅定
あはぢしま とわたるふねや たどるらん やへたちこむる ゆふがすみかな
新勅撰集・雑歌 前内大臣通光
あはぢしま しるしのけぶり 見せわびて かすみをいとふ はるのふな人