2009年8月2〜9日 ことば悦覧in京都 記録集    home 

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 満田衛資(みつだ えいすけ)さん編  8月05日pm 8時〜 二条駅傍回転寿司屋さんにて 

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 その02  

満田:ぼくは、そういう、放浪はしてないし建築の勉強もほとんどって言うとごへいがありますけども。あんまししてないです。・・・
佐藤:え!
満田:遊んでいたというのが正直な処で。まあサークル入ってテニスやったりしてたんですけど。あと どっちかというと音楽をやってて
佐藤:音楽というのは

満田:
自分で作るんですよ 
佐藤:作曲っていうこと
満田:丁度僕が大学2年生の頃からパソコンを使っていわゆるデスクトップミュージック DTMって、そういうのがだいぶ手頃な値段で出来るように。パソコンウィンドーズが、僕はマックだったんですけど。それが

佐藤:
パソコンで作曲すると
満田:パソコンとかシークエンサーと呼ばれてる、要するに自分でプレーするよりはプレーさせるか、それで遊んでましたよね。友達と何かユニットを作ってみたいな。

佐藤:
それは何年ですか
満田:えっとね僕大学はいる前にうろちょろしてたんで、91,2年ぐらいとか。93年とか。
佐藤:大学4年生ですか
満田:いやもっと、1,2年生の頃からキーボード買って。・・・僕は働きはじめたんが99年ですから。キャリアが10年越えたところ

佐藤:
聞くことに専念できなくなるね、美味いね寿司
満田美味しいですよ〜
佐藤:行列の秘密がわかるね。音楽作りに没頭ですか
満田:没頭じゃなくって、まあ趣味の世界で。だから設計演習があるっていったとき、全然サボっている訳じゃなくって。あと提出もするし。授業も受けて。単位は取ってますけど。
佐藤:90年代初めだね


(阪神淡路大震災)

満田:震災が95年でしょう。それを挟んでますから。
佐藤:建築をやめるきにはならなかったですか
満田:いや〜それは無かったですね。その、3年生の授業を、一番設計、構造やるにしても設備やるにしても、すべてそこが本格的な内容なんですよ。
佐藤:3年の時が

満田3年のときというのは、震災の直後でだから、ひたすら被災写真先生方も全部それに対応されているし。そういうなぜそういう事が起きたのか?そういう破壊に至ったのかという。一生懸命考えないといけない立場の方々ですから僕らも、先生もこれは見せなきゃあかん!と。思わはったんかどうか?分かりませんけど。まあそいういう写真ばっかりですよ分かりやすかったですよ。なんでこの設計式があるか、破壊とリンク研究してますから 

佐藤:
破壊実験したようなもんだもね
満田:まあ言ってしまうとね。そういうこともあってそれをキチッと作ることが設計だってそこで理解はしました。あれみて嫌になるというふうんは思わなかった。
佐藤:もうちょっと ちゃんとやらなきゃ〜と
満田:っていうかちゃんとやってなかった人が大量にいたからああいう風になっちゃった訳ですから、それはちゃんとやる人間が増えなきゃいけないべきだ
佐藤:全部倒れてるわけじゃないから
満田:そうですよね。

佐藤:倒れてるのと倒れてないの 
満田:だからその、やっぱりちゃんとしてたら倒れないというもの実証されたわけですよ。あの地震で。だからちゃんとすることで
佐藤:宮城沖で改正された、方法で充分大丈夫だという、実証はされましたよね
満田:まあ倒れないという意味ではそうなんですけども、僕ら関西でローカルで、テレビ番組を観ますよねそうすると。トキュメンタリー番組なんか見てると、震災から2年経つ、3年経ってっていう時期ですけど。結局建物が壊れなかったことが幸せなのか?っていう話が出て来るわけですよね。建物が倒れなくって生きのびた。でそういう共同住宅、集合住宅。でみんなで区分所有してると。で、生きながらえている人達も、そのマンションはまあ、一応見た目にも資産価値は下がっていますよね。一応使っていいよと言ってもらえたとしても。やっぱり至る所にね、ヒビも入っているし

つぶれてないから、そこ生きながらえた人達が今度もめ出すわけですよね
佐藤:なおすと、直さない派でね
満田:なおす!直さないで。で、要するに生き残った、生き残させるという設計であってくれたんだけれどもそれが今度は次の争いの種になってしまっているっていうような。

設計者たちっていうのは、良かれと思ってしたし、実際ほら間違ってなかったじゃないかって。まあ堂々としてた訳ですけども。 けど実態は違ってるわけですよ必ずしも社会がそれを許容してくれてない。そうい実態も浮かび上がって

佐藤:中途半端に残っちゃって
満田:途半端っていう言い方もどうかとは思うんですが、まあ設計として成功したものが、成功だったはずのものが、満足されてない。それって凄い不思議、不思議というか微妙な話で。

佐藤:
取りあえず構造関係はべちゃーっと潰れないで、何か(地震)があったときに、逃げ延びるまでの時間さえもてば、いいみたいなもの(専門家どうしで共有された)があったと

満田:だから、それをきちっと理解。要するに3000万4000万払って、ね。
佐藤:理解してない
満田:マンションを購入した人が納得した値段だったかどうかと。なって来るわけです。

だけども実際もの値段の決まり方っていうのは建築の内容じゃなくって、駅から何分何LDK、何平米っていうような処で価値が決まってしまってるのが現実ですよね。その何か、矛盾ではないんでしょけども。足りて無さとでも言うか
佐藤:簡単に言えば設計思想が理解されてないし
満田:そうですよ

佐藤:そういう国民に支持された(建築基準法)法律ではなかったという。言ってしまえばね。
満田:言ってしまったらそうなんですけども。あれが正しいという前提でいまだに進んでますよね。
佐藤:そうなの
満田:だって、ですよね。
佐藤:ピアチェックがどうのとかあるけど
満田:その耐震強度が1.0越えているかどうかというのは。必要保有水平体力を満足してるかどうかていうわけですから。

佐藤:建築基準法の、国民の生命と財産を守るという目的書いてあるじゃないですか。確かに言葉としては生命と財産守るのは誰も文句は言わないし、そうだそうだと。じゃどういうふうに守るっていうことが、討議されてないで、(専門家による)テクニカルな話だけで、中途半端に残って。これは(国民の生命と財産を)守ったことに成るのかと。(逃げられればよいのか)そいう処が曖昧に作られた法律だっていうことが、

満田:曖昧なのかどうかっていうのは、もともとが出来ているのが戦後ですからやっぱり技術は年々進歩するんでまあ、時間が経って解った事だらけなんですよね未だにじゃー実際どんな地震が来るんだっていうの 誰にも分かってないですし。その中でまあこれぐらいで、やっとくのがまあ、日本国の建物としては、これぐらいのレベルがよろしいだろうっていう。お上の判断、線引きがあるわけでしてね

その安全と称しているものも、その国家像からみたときに、あるべき住宅の姿。我が国の国民の家としてはこの程度がよろしいかろうと決めてるわけじゃないですか。で、要するに建築が私有財産なんだから好きにしていいじゃないかと。 じゃないわけですよ。その部分っていうのは設計者がもちろんね、気付いた人が声を上げるのは大変なんですけども声はちっちゃいですから。やっぱり政治判断の、上がらなきゃ駄目です。そこはね。

佐藤:政策にならないし、法律が変わらないよね。ただのごたく、虚言を並べているだけで終わってしまう。

満田:
だからマニフェストに建築基準法をちゃんと考えますっていう政党が出て来るようにならないと、議論にのらないですよ。そこはね。今回出てこないようですから。

佐藤:
だから、そういう法律以前の、コミュニケーションがまず無いわけだから。もっと言えばそのコミュニケーションをサポートする建築的なジャーナリズムっての無いわけじゃないですか。今(建築において)何が問題なのか、本当は国民全体の問題ではあるけれども、ごく一部の人とか専門家は知っているけども、その問題に光を当てて社会問題として議題を提示する仕事をする人が居ないわけですよ

満田:そうですね
佐藤:あるとすれば、こんなカッコイイ建築作りましたというPR的な雑誌は一杯あるようだ けれども。社会と建築の(在り方)ベーシックな問題を討議する雑誌など、売れないだろうし。ターゲットリーダーが誰だかよく分からないから売れない。(問題伝え)・仕方ていうか、方法の問題になりますよね、まずは。

法律とは何かって言う問題ももちろんあるけれども。(意図意味はわかる)けれども(伝え理解し実践への道)は非常に難しい。政策的な政治の問題に乗せる。勿論 分かるけども具体的にはうやむやにされて、地震起きてもう〜15,20年経つわけだから、それでどうしようとしてるんですか?

満田:あの〜
佐藤:自分の設計したものだけでいいや〜ていう話ではないよね。そいう言い方は

満田:
僕自身が言ってしまうと。自分はどれだけ理解出来ているのかって話しているわけでしょう。

分かっている部分と分かってない部分が僕の中にあって。すくなくてもさっき震災の時の壊れ方の話。(地震)その後使えない壊れ方。壊れ方というよりも人が安全に脱出が出来たよ という、その壊し。でそれを元に戻すことが出来ない建物っていうのは、基本的にはよくないと思っているんですよ。よくないというか、その方法に今でも安住しててはいけないとは思うようになって来ているですよ。エネルギー吸収を、どこでするかって話になって来るんですね、そういう話すると

佐藤:ということは(壊れた後)補強って言うことですか
満田:補強っていうよりは制震という話になりますするのが一番今の言葉で言うと分かりやすい。特にエネルギー吸収して変形させる部材を自分が狙った位置に入れておいて。かつそれが壊れた後に
佐藤:入れ換える
満田:そうそうそういう思想のもとに設計が進んで行く、ふうになるんじゃないかな〜。なるんじゃないかな〜じゃなくって成っていくだろうし。自分はまあ 極力そういうふうに持っていく  30:22

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