中納言朝忠
よろづ世のはじめとけふを祈りおきて今行末は神ぞしるらむ
能宣
ちはやふるひらのの松の枝しげみ千世もやちよも色はかはらじ
仁和の御時大嘗会の歌 よみ人しらず
かまふののたまのを山にすむ鶴の千とせは君がみよのかずなり
元輔
朝まだき桐生の岡にたづ来しは千世の日つぎのはじめなりけり
能宣
ふたばよりたのもしきかな春日山こだかき松のたねぞとおもへば
能宣
君がへむやほよろづ世をかぞふればかつかつけふぞなぬかなりける
兼盛
ことしおひの松はなぬかになりにけりのこりの程を思ひこそやれ
能宣
千とせともかずはさだめず世の中に限なき身と人もいふべく
順
老いぬればおなじことこそせられけれ君はちよませ君はちよませ
能宣
ゆひそむる初もとゆひのこむらさき衣の色にうつれとぞ思ふ
兼盛
山階の山のいはねに松をうゑてときはかきはに祈りつるかな
仲算法師
声たかくみかさの山ぞよばふなるあめのしたこそたのしかるらし
斎宮内侍
色かへぬ松と竹との末の世をいづれひさしと君のみぞ見む
大中臣頼基
ひとふしに千世をこめたる杖なればつぐともつぎし君がよはひは
元輔<
君が世をなににたとへんさざれいしのいはほとならんほどもあかねば
元輔<
あをやぎの緑の糸をくり返しいくらばかりの春をへぬらん
兼盛
わがやどにさけるさくらの花さかりちとせ見るともあかじとぞ思ふ
能宣
君がためけふきる竹の杖なればまたもつきせぬ世世ぞこもれる
能宣
位山峯までつける杖なれど今よろづよのさかのためなり
小野好古朝臣
吹く風によその紅葉はちりくれど君がときはの影ぞのどけき