かまつかを庭の面に作りけり
邯鄲の粗末なる蟲の鳴きにけり
邯鄲の人見もしらず鳴きにけり
月の道大きな石に見えにけり
十五夜の長い袂や女の子
ほつほつと折れはじめたる蘆を刈る
山上憶良を鹿の顔に見き
遠鹿にさらに遠くに鹿のをり
消息のつたはりしごと一葉落つ
秋の日の鏡にさせば夕化粧
だしぬけに咲かねばならぬ曼珠沙華