和歌と俳句

後藤夜半

奉納の和歌と留守なる神の和歌

茶の花や枝組合へる葉に深く

この落葉氷室の神の踏みたまふ

枯るるもの女郎花とはまことかや

あやまたず沈む冬至の日を見たり

よき言葉聴きし如くに冬薔薇

焚火して焚火恋しき面持ちに

心消し心灯して冬籠

着ぶくれしわが生涯に到り着く