芭蕉やどりせむあかざの杖になる日まで
惟然我寺の藜は杖になりにけり
子規隠れ家に夏も藜の紅葉哉
碧梧桐草茎をさしたる梢藜かな
虚子鎌とげば藜悲しむけしきかな
蛇笏鎌かけて露金剛の藜かな
麦南暾にぬれて露七宝のあかざかな
蛇笏荼毘のあと炭いつまでも藜草
波郷隠すなし藜諸共水浴び立つ
楸邨一椀の藜の粥にかへりきぬ