和歌と俳句

芭蕉巻葉 芭蕉若葉

耳目肺腸ここに玉巻ばせを庵 蕪村

白壁や芭蕉玉巻く南京寺 龍之介

白壁に芭蕉若葉や南京寺 龍之介

唐寺の玉巻芭蕉肥りけり 龍之介

蟇の居る石に玉巻く芭蕉かな 虚子

師僧遷化芭蕉玉巻く御寺かな 虚子

寺焼けて門に玉巻く芭蕉かな 鬼城

玉解いて即ち高き芭蕉かな 素十

一抹に長き雲の朱夏芭蕉 青畝

真白な風に玉巻く夏芭蕉 青畝

真白なかぜに玉解く芭蕉かな 茅舎

玉解いて芭蕉は天下たひらかに 茅舎

玉芭蕉一枚とけて立烏帽子 花蓑

蝸牛のあとしろがねに巻芭蕉 秋櫻子

玉解きてのたりのたりと芭蕉かな 朱鳥

軽き太陽玉解く芭蕉呱々の声 草田男

玉巻く芭蕉病身反らすこと少なし 楸邨

芭蕉玉解く麦丘人必ず来む 波郷