和歌と俳句

川端茅舎

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牡丹ぼうたんの葉に草の葉に

ぼうたんのまへに嶮しや潦

百合の蘂皆りんりんとふるひけり

真白なかぜに玉解く芭蕉かな

玉解いて芭蕉は天下たひらかに

横たはる西瓜の号はツエペリン

伽羅蕗の滅法辛き御寺かな

新藷の既にあかきもうちまじり

もてなすに金平糖や麦の秋

麦埃赤光の星森を出づ

露涼しすがるの唸りいくすぢも

迎え火に合歓さんさんと咲き翳し

生身魂ちゝはゝいますごときかな

聖霊の茄子の形となりにけり

の空松籟塵を漲らし

芭蕉葉に水晶の蝉羽を合せ

きりきりと眠れる合歓に昴かげ

ぼうたんや森を飛出す鐘の声

二三片烏雷雨にうたれ飛び

いかづちに松籟どつと乱れ落つ

でで虫に滝なす芭蕉広葉かな

一心にでで虫進む芭蕉かな

刻々と天日くらきいづみかな

水馬弁天堂は荒れにけり

栗の花舗装道路は野を縦に