2009年8月2〜9日 ことば悦覧in京都 記録集    home 

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 岩崎泰さん編   8月04日 am10〜 晴れ 鴨川河原にて 

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 その03  

佐藤:演奏家でもあると
岩崎:演奏もしているですけど。練習の仕方とか、オーケストラのコンサートマスターの人と練習をするときにどういう事を気を付けて演奏家は、どうやって やっぱり色んな事を考えて演奏してますし。演奏の面でもそうです、どういう事を考えて 

   ガガガガガ 草刈り機  ガガガが

佐藤:草刈り機 酷いですね

岩崎
:大丈夫ですか。ベートーヴェンの曲 聞くとすごく構築的とか言うんですけど。すごく建築を作るように設計図がしっかり出来ているようなイメージがあるので、直接役に立つわけじゃないですけど。何か聞いているとすごく勇気づけられるっていうか。
佐藤:構造主義というか、キチンとした物語をつくって、ストーリーに合わせて、構成していく。。ある種の音楽は言葉と似てて感情を音に変換するみたいなものででしょうから、その時代の考え方というのは、当然作曲するときにその暮らしている世界から、作曲家だって逃れられないよね。一人だけ違うことを考えた居たら、意味が通じない孤立死の可能性があるし。ふふふふふ

岩崎:ですけど時代を反映するのもありますけど、やっぱりこうやって200年300年残っているものっていうのは普遍的なものも、ありますね
佐藤:あああるわけだね
岩崎:だからそういうものにも
佐藤:解るものと 判らないものが演奏してると解るっていうのは、好いですよね。建築の場合はそこに行かなければい体験できないとか。図面が在るわけじゃないから。誰か評論した文章を読んでね、又聞き、又感情受けとめみたいな感じで、解ったような判らないような。一次情報に触れてると言う人は少ないようだけれども。

岩崎:そうですね
佐藤:演奏家は作曲家が生きた時代も、100人も集まって演奏すれば、同じような感情があったのだろうから。それほど変わらないというか、演奏会を作るときの苦労というのはあまり変わらないように想う。建築の場合は設計図も無いし職人さんも生きていないので、また、そういう物を再び作ろうとする人も少ない、居ないじゃない



 (茶室の仕事)

岩崎う〜んそうですね。でもお茶室の仕事をしていると割と昔と同じ様な事まだやっている部分が、やっぱり在っます。技術的に。京都ではやっぱり若い職人さんでも文化財の修復とかに携わる処で修業した方っていう人、。だいたい今仕事しているんですけど。そういう方はみんなちゃんと。そういう伝統的な施行を修業されて来てますし。それに新たに今がある道具が、新しい道具で出来ることもありますね。

佐藤:そういう人間の考え方と、思いっていうのを伝えるためには、人間を介して、口承じゃないけど、図面と両方だったりして。引き継いで行くという、違う文化が必要なわけじゃないですか。

そのためには人が多いとか、ネットワークが出来てるだとか。何かサポート体制が必要だと思うんですけども。

名曲、交響曲を弾く場合に演奏家のモチベーションっていうのはそれぞれ違いますか。集まって来る人達にもよって変わるんですか。ベートーヴェンの曲を弾きたいという場合 どんな感じで集まるのか。

建築もそうだろうけども、茶室なら茶室作りたい、そして自分は茶室建築の 大工になりたい 左官になりたい、畳み屋になりたい。

色々あるじゃないですか。その時の思いっていうのは、設計者の場合は俯瞰的に全体を見てるだけども。職人さん達はそんな感覚は無いでしょう

岩崎:いや、相談しますから。我々は。一応御施主さんの希望があって。御施主さんはこう言っているけれども。御施主さんがこうしたいけれども、実際選ぶサンプルが幾つかあって。これにしてくれって言っても。たぶん御施主さんがしたいふうにはこれじゃないとかいう話を左官やさんとして。でなるべく御施主さんの希望される。交渉して。職人さんとやっている。モチベーションっていう意味ではわりと今やっている仕事では、割と年代も近いので一緒になって考えて

佐藤:茶室建築を作る場合は、古いっていう言い方も変だけれども。茶室をつくりだした、前衛的な権力批判 の姿勢だよね。アクチュアルな批判であるのだが・・

岩崎:元々はそう
佐藤:創られた当時から 、だからそれが時間が経っているから、何か伝統文化に(貶められて)いてしまっているけれども。とうぜんそういう姿勢も話合うわけでしょう。
岩崎:そうですね。う〜ん、そういう話はどちらかというと御施主さんと話す
佐藤:ああ、そうですか。また音楽の話に戻るけども。岩崎さんは設計者だから、そういう橋渡しして、何とか原点に帰ろうだ、とか考えるだろうけど。演奏会の場合はただ演奏職人になるじゃないですか。

岩崎:自分自身は弾くときは
佐藤:おれはここはこう弾きたいよ〜みたいな現代風に弾きたいよみたいな、かたちで、それはちょと違うよ君みたいな設計者というか指揮者が出て来るわけですよね。そこで監理されていると どうですかね
岩崎:ああ、そうですね

佐藤:演奏して楽しいみたいなことで終わっちゃうかな。
岩崎:指揮者と一緒に同じ音楽をつくる仲間と一緒に同じ音楽をつくっているんだったら 自分がやりたいものをするよりも、まあ全体で話し合って決めたこういうテンポで行こうとか。こういう大きさで行こうとか。いうのを守っりつつ 一つの音楽をつくり上げるというイメージですね。

佐藤:建築40年ぐらいやっているんだけど、結局労働関係・の仕事なんですよ。仕事だっていう、ビジネスっていう。僕はビジネスって考えで暮らしてないんだけれども。仕事労・働関係 終わって、はい完成しました。サヨナラ。僕が仕事無くなると誰も寄ってこない集まって来ないってていう。これは何じゃというふうに思う。

だから茶室だとか音楽だの場合は古いものが在るんだけれども、やっぱりまた自主的に集まろうっていう。ビジネスとは違う人間関係、ビジネスじゃない行為として共有されて在るように思う。(文芸的公共圏とうようなもの)同志社大学の人と集まって喋りたくなったり、

岩崎:まあビジネスではない
佐藤:施工会社の人は、僕のことを恋しくなって遊びに来〜なんて 無かったですよ。
岩崎;ああ そうですか
佐藤:ないですね、営業マンだけですね。あいつの処には仕事がないからもうこない
岩崎:ああビジネスだ、うんうん

佐藤:ここ8年ぐらい仕事やてないないので、だれも来ない、静かで好きです。
岩崎:そうですか
佐藤:あの時の建築はこれこれこうでね、貴方の設計したのはこんな感じで悪いとか良いとか、言い寄ってくる人はだれもいないふふふふふふ これはなんじゃ?!と。他者に対する無関心は何か。 一人で疑問に思っているんですけど。僕が受けたような感情がもし事実だとすればですよ地方は建築が、消えて無くなるっていう事じゃないですか。建築によって一時的に出来ていた人間関係が消えて無くなるっていう、裏証明じゃないですか

岩崎:はい

佐藤:ベートーヴェンの譜面が在れば、300年とか200年とか何年経っても人間関係を作りあげる力のようなものが残るじゃないですか
岩崎残りますね
佐藤:でもベートーヴェンは作曲したいたときに300年残そうなんて考えてなかったでしょうが
岩崎考えてなかったでしょうね
佐藤:じゃそれは、残してしまう人間のそれは何かを知すことによって。その当時建築が考えたね、思いだとか技術だとかというものをずーっと残すしたり、改良したりする連携が出来るんじゃないかな〜と想うので、それをシツコク聞いてみたわけです。岩崎さんは音楽の演奏もやられて、職人的な人間関係にも関わっていらっして、なおかつ設計者。茶室をやってて、その辺はどうでしょうか?なかなかむずかしい質問かもしれませんが。今始まったばっかりですか、

岩崎:そうですね。独立して1年半。



 (金魚を食べる)


佐藤:
では御茶を呑みましょう、じゃ乾杯して
岩崎:金魚 いただきますか
佐藤:この金魚鉢というお菓子を これは綺麗ですね〜

岩崎:今行っている御茶の稽古で いつもここのお菓子を食べる
佐藤:ああそうか ここのね。私この名札もらっていいですか
岩崎:どうぞ。ここの娘さんが嫁さんと同級生ですね
佐藤:ああそうですか
岩崎:ふふうふふふふ
佐藤:いいですな〜
   このおかしは涼しげで好いですな〜

 ミンミンミンミンジージジーミンミンみんみんじーじじー セミの音のシャワーを受けつつ和菓子を食べる佐藤と岩崎

岩崎:済みません楊子も何もないので。もう手で
佐藤:いきなり噛みつくしかないですね

  ぶーぶーるぶぶぶるるるる
 
草刈り機がやってくるお菓子を撮ろうとする佐藤

佐藤:接写できないな〜。金魚と水ていうのをね。むだなく抽象化され 喰いに物になる、水の汚れは再現されることもな

岩崎:うふふうふふふふ
佐藤:現実の水の実態が一部捨象されて、イメージ抽象的な水に仕上がる、文化はいいですね
岩崎:そうですね〜
佐藤:いただきましょう 金魚鉢 金魚鉢おめでとうさんです。

ががーがぶぶぶるつつるるるる
  草カル機   かーかかかと烏も飛び交う 25:22

佐藤:あ!これは美味いや
岩崎:
佐藤:なかなかお洒落ですね、金魚をひとくち
岩崎:いですね ミンミンみんみんじーじじー もともと茶室がやりたと思って始めたじゃないんですけど。

佐藤:じゃ戻りますけど
岩崎:はい
佐藤:建築4年勉強されたわけですけれども
岩崎:え〜と学部を5年。5回生やまでやって、院試に落ちたんで。もう一回院試受けて大学院に、学生7年ですね ミンミンみんみんじーじじー

佐藤:どこか 研究室に所属したとか
岩崎:布野研究室 4回生から
佐藤:その当時はどんな研究を論文というか
岩崎論文 は、あまり論

佐藤:思い出したくない
岩崎:うんまあ、あまりそうですね、ちゃんとしてなかったな〜と。布野先生にちょっと申し訳なかったなとふふふふふ思うんです。

あまり出来の良い学生ではなかったので。
佐藤:町の中に建築が溢れているわけでもないし、自分が気になって直接設計事務所に産まれた、呼ばれたわけでもないでしょうから。研究者の息子でもないから
岩崎そうそうです

佐藤:いきなり大学に入って2年ぐらい勉強して、いきなり論文書けるほど、なんじゃそれ。無茶ですよね。今からだったら書けるでしょうけど
岩崎:いや〜ちょっと論文は大変ですね〜
佐藤;大変ですよね、過去の文献調べなければいけないし。

岩崎:ちょっと。そういうのは自分には無理だなと。あとやっぱり布野研には凄く優秀な先輩が一杯いらっしゃったんで。ちょっと自分には向いてない。かといって設計が出来るわけじゃないんですけど。まあ。たまたま5回生が決まった時に。同級生が4回生でもう院に行けることに。で卒論をしないといけないときに、アルバイト代わってくれって。でそれで前の事務所にアルバイトに行き始めて。そこが数寄屋専門の設計事務所で。

佐藤:えどこですか
岩崎:にむら建築研究所って言うんですけど
佐藤:その方は伝統的な建築を
岩崎:数寄屋建築やられている方

佐藤:バイト代わった偶然で
岩崎:偶然で
佐藤:お前代われと
岩崎:同級生ですよ

 (ヨーロッパを旅する)

佐藤:お前行ってくれと。バイト行けと
岩崎:はいはい。5回生決まっていたんで。院試かで時間ある間に旅行行きたいので。アルバイトでお金を貯めてで、ヨーロッパに友達と、ローマに飛行機で飛んで、電車でずーっとパリまで行って。古い遺跡から現代建築まで

佐藤:パリ中心
岩崎ローマから
佐藤:イタリアからか
岩崎:で、ミラノへ行ったりマルセーユに行っってパリ行ったような旅をして。帰って来ると、もう向こうの建築はちょっとお腹一杯って感じですね
佐藤:うはははははは

岩崎:あの〜どっかで凄いな〜と思うんです。なんとなく体に受け付けないっていうか。京都帰ってきたら、直ぐ 和食くいた!と。それって。でバイト行くとそうやって数寄屋建築の茶室の模型とか作って。その にむらさんの所には。けっこう外国からのお客さんもよく来ていたんで。インドの人だったりスイスの美術商みたいなだったり。やっぱり凄くこう尊敬されているというか、尊敬されているというのおかしいですけど。全然喋れない英語が。それでも何となく意思疎通はかれてるというか。にむらさんの設計した建物観たりとか。にむらさんの設計で案内で京都の古い建物観たりとか。祇園を案内してもらって美味しいものを食べたりとか。日本満喫して帰って行くんですけど。そうするとやっぱりう〜ん。ドンドン国際化する中でね、日本人がやる建築が日本の伝統をよく勉強したうえでやってもいいんじゃないかなというふうには成って来た。

  30:04

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