茶畑は匐ふ虫縦に横に匐ふ
トンネルの口に茶畠畝を垂れ
雛段の高きへ登る紅き階
内裏雛背に小金屏大金屏
燕にも美しき天紫雲天
蜆船曲り江をよき漁場として
椿林不増不滅の泉湧く
完全円椿林の洩れ日みな
陣笠を冠れ乱るる青柳
仏足の法輪の上花楓
ゲレンデの夏は火山の砂礫帯
ゲレンデの夏静止せるリフト惨
吹流し五月の風を蹴りに蹴る
山の名は白七月も雪残る
雲の峰城砦をなす塔をなす
夕立に千体仏の濡れ同じ
雲海に尖る高嶺は修験山
日本を縦貫青き馬の背が
早苗田の青増す早苗伸びしだけ
弥陀の滝先に一念凝らし落つ
白滝が落つ原始林両分けて
走り水河鹿はこころよしと鳴く
菩提樹の緑有縁に蔭与ふ
花桐の十方鐘の音響く
葛のため更に低頭今年竹