2009年8月2~9日 ことば悦覧in京都 記録集 home 魚谷繁礼 門藤芳樹 山本麻子 岩崎泰 柳沢究 森田一弥 浅見俊幸 満田衛資 川勝真一 岡田栄造 榊原充大 山崎泰寛 牧野研造 俺クチャー 観客感想 番外編 名古屋 小林聖明 東京 太田浩史 松島潤平 岡田栄造さん編 8月06日 pm1時~ 曇りのち小雨 その 01 02 03 04 05 06 07 08 09 10 その05 デザインって? 佐藤:デザインということがよく分かっていないんですけども。デザインって何ですか?どう考えたらいいんでしょうね 岡田:いやわかんない、今なんでもデザインって言うんで。文章書くことを文章のデザイんて言わないから。それは無いな~と思って。 佐藤:ものとか空間とか 岡田:コンテンツっていうのはデザインの対象にはできないんじゃないかという気がするんですよね、映画にしても。 佐藤:たしかに。映画をデザイんするって言わないだろうね 岡田:その周辺にあるもの、ツールとか。そのための戦略とかは デザイとは言うかも知れない。文章表現以外の表現はデザインって言っちゃってもいいのかもしれない、ぐらいのスゴーイ広い。 佐藤:岡田先生がやっていることを含め 日本語に置き換えるとすれば、何て言えば? やっぱ デザイって言ったほうが伝わるんですか? 岡田:それがね~。デザインっておもしろい言葉で。デザインって言うと 今でもというか、普通はデザインっていうと物の形で、装飾みたいな捉え方するでしょうファッションデザインとか。それで、デザインは良いけど使い勝手が悪いみたいな。今でも言うわけですよ。新聞でさえそういうこと書いたりするわけですよ。それは私が受けて来た教育からするとあり得ない事なんですよ。 つまりファンクションも含めて デザインって教えられているから。でも、いくらデザインの内側の人がそう言い続けても、世の中は デザインはちょっと過剰なものだと。 佐藤:ふふふふふ 岡田:使い勝ってとは別の処にある ちょっと趣味性だとか、そういうふうなものだと思ってるわけですよね。それはいいな~と思って。デザインというのは突き詰めていくと、それつまり幅広くいくらでもデザインの対象は膨らますことが出来る。 だけど、それれ 全部削ぎ落として言い換えられるものはデザインでしか言えないものに。逆に残すとしたら そういうことなんだろうな~と思って。それぐらい面白い事なんじゃないか!?と思うんです。そうだし 意味があることなんだと思うから。それはいいな~と思って。そういう事をやったらいいんじゃないかと思う。 佐藤:学生にはそう教えているんですか 岡田:教えていません。 佐藤:言っても分からない、何言われているのか分かんない? 岡田:分かんない「何言っているんだろう」って言うし。他の先生にも怒れそうだ 佐藤:ほんとうだよね 岡田:私がやっていることなんか、本当に危ういことばっかりやっていますからね~ 佐藤:だから 意味が生まれるんじゃないですか 岡田:そういう事に意味を見出してくれれば、 人も 居たらいいんじゃないかな~と思って。 京都の景観条例 など 佐藤:そうですよね。 京都のデザインに関する人達だとか、建築に関する人達だとか、その現状というのはどういうふうに見られていますか。 岡田:なるほど。えーとね。正直 京都の仲間たちってクリエーションに対する共感みたいなもので結びついている人達、私の場合は居いなくって。それよりも個人家族付き合いとか。ふふふ、友達付き合いとか。で なんとな~くつながっていった人が多いので。 何だけど、やっぱり その森田一弥さんにしてもそうだけど。やっぱり「立ち位置として、こういう建築家像もあるえるよね」、みたいなことを意識してやろうとしているから。それはとても共感が出来ますね。そういう部分では。で、京都でやるっていうことはそういうことを意識せざるを得ないというか。と思うんですよね。中には東京から帰ってきたり、満田衛資さんも東京の事務所(を辞め)京都まで戻って(開設)。 佐藤:たまたまインタビューして歩いているのは、布野修司さんのお弟子さんが多い。魚谷繁礼さんを介し伝っていったら、布野研究室の方を紹介してもらえたんですけど。布野さんの関係だけになったので、今聞いたんですけどね。自分で建築家像とか構造家像というのを、一つのモデルとして提案してみたいという意志が強いですね。自己表現というよりは 個人の社会性について、愛を感じると。 岡田:そうですね 佐藤:強いな~というのが印象 岡田:そうじゃないと京都で事務所やんないですよね。 佐藤:あ!そうなんですか 岡田:独立しようとする人に、「京都で事務所を構えようと思っている」って言う人がいて。勧めはしないでしょうたぶん。仕事無いじゃないか!と。ははは そもそも。ふふふ、京都で新しいものが建たないし。現代建築建てちゃ~駄目な法律も出来ちゃったし。 佐藤:あそうですか!それは条例かなにかで 岡田:景観条例で、切り妻屋根じゃいけなくなったし。基本和風じゃないといけなくなったんで。 佐藤:それは最近ですか 岡田:最近 佐藤:何かみんな型に填っているというか。どなたも町家の形なのかと・・。 岡田:だからと言って面白いことが出来ないわけではないんですけど。まあ、でも結構手足縛られた状態、かたちからスタートかなみたいなこと。 佐藤:よそ者にはかえって同じ形式にはめられちゃうから個性を評価し区別し易い 岡田:出来るぞって思えればいいんですけど。 佐藤:なんでもありだ と結局何がお互いの違いか見分けにくいんで、個性が浮かぶかなと 岡田:ですけど、そこにはかなりの覚悟というか。要るだろうなと。 佐藤:それは自由に対する幻想なんじゃないですか。 岡田:そうかもしんないですね。そうかもしないです、でも何か単純にコンクリート打ちっ放しで、四角い箱みたいなことをやりたい人が。切り妻!!って思うだろうな~って。そんなこと関係ないって思っている人は結構レベルが高い人だと思うんですけど。ふふふ。 佐藤:町家の中で活動するっていうのが逆に良い状況を生み出しそうだと。話聞いてみると 構え方で 個性の違いが分かる 岡田:そうですね。 佐藤:で いい建築家を産みだしそうな気がしたんですけどね 岡田:でも実際はそう簡単じゃないですよ。 佐藤:どういうことで? 岡田:とにかく景観条例が出来て、景観適合住宅みたいな。切り妻じゃなければ、けらばが60㎝だとか壁の色はこの範囲とか。屋根の勾配の角度が決まっているとか。庇を一階 ださなければ、地域によって違いはあるんですけど。色んな条件があって。とにかくクダラナイ住宅建っているですよ。形だけ合わした。 それで京都市のHPに適合住宅集(京(みやこ)景観適合建築物)みたいなのがあって。こういのがいいですよっていう例を出してんですよ。ほんとにクダラナイんですよ、景観全然よくね~よくなってないじゃないか~!と怒りたくなるようなものばっかりなんですよ。それで 私の家とか、苦労しているんですよ。 佐藤:住宅建てられる場所が条例の範囲に入っている 岡田:一応対象区域なんで。そんなに厳しい所じゃないんですけど。切り妻じゃなきゃいけないっていう。条件 はいっているんで。こっちといしてはかなり真摯に景観よくなるようにやってくれているハズなんですけど。 佐藤:今図面あるんですか 岡田:図面ないな 佐藤:現場に見に行けばいい 岡田:やっているんですけど。杓子定規なんですよ。役所のやることっていうのはそういうもんですよ。だから、だから条例が出来ようが出来まえが関係ないんですよ。逆に言うと 佐藤:そうか、判断出来るプロが不在なのかな 岡田:条例が出来たから(景観)いい事もないし。(条例が無いから景観が)悪いってこともないだと思うんですよ。景観条例は厳しいけど。他の所だって法律があってみんなその中でやっている。法律があるから、いい町並みが生まれて来るなんてことは あり得ない。 佐藤:建築家は倫理と法律に自覚的でないので、それらと敵対しているみたいな感じに捉える人が多いと思うけど。倫理で乗り越えられない部分を法化するという流れが無いっていうことだと思うんですけど。そのためには政治、立法の場に建築家が関わらないと。景観にも建築家いなと 景観を作ろうとする人も佳い法はうまれないですよね 岡田:そうなんです 佐藤:そういう流れで考えている人が少ないので、岡田先生が言われたような、法あってもなくっても変わらないですよっていう、杓子定規に運用されるって言い方が理解出来るけども。変わると思うんですよ、法律と倫理とは、建築家なりデザイナーが(法作りに)参加すれば。 岡田:私もそこらへんは門外漢なので、建築基準法の話とかよく知らない。でも今やろうとしていることは、基本的には最低レベルを決めれば。法律の書き方を変えてくれっていうことですよね。良い方に 法律が、つまり制約をゆるくしろっていうことを言っているわけですよね。制約によって何かよくする方法があるかというと。 佐藤:国交省から出ている建築基準法の解説書があるんだけど、はじめにに この法は 理解されていない 難解だ 全体は分かるはずないっていう意味のことが最初に書いてありますからね。 岡田:そうですか 佐藤:だからこの図解あり解説書買い読めって書いてある。分かりやすくなおせと思うけど。そいう事が平気で書いてある。権益広げるような 法律一本作れば 褒美として国会議員になれるっていう事実にガックリしまね。 建築家が自分たちで法律作るような社会が来ればいいな~夢想しますけど。 岡田:法律作りどっかでやているんだろうか 佐藤:そういう意識が薄いでので 各地で言って歩いているんですけど、反応 薄いですね。そうですか、デザイナー事務所 京都で立ち上げるのむずかしそ~と 岡田:それをあえて森田さんとか、あそこまでいってやっているのはいいな~と。そういうのって何だろうね。基本的に建築やるにしてもデザインやるにしても。やり方が一種類しかないってことほど貧しいことはない。 はい。 学 生が入ってくる なんかね山本先生が話をするったんだけど、閉まっているの。 学生:いや今開いてます。 岡田:たぶん 大丈夫になったと思う 学生:わかりました。 岡田:山本先生ちゃんと分かっている。うん。はい。 学生:はい 学生が出て行く その06へ |