和歌と俳句

源氏物語の中の短歌

野分

おほかたの荻の葉過ぐる風の音もうき身一つに沁むここちして

吹き乱る風のけしきに女郎花萎れしぬべきここちこそすれ

しら露に靡かましかば女郎花荒き風にはしをれざらまし

風騒ぎむら雲迷ふ夕べにも忘るるまなく忘られぬ君