金葉集・春・詞花集・春
櫻花風にし散らぬものならば思ふことなき春にぞあらまし
金葉集・別離
いかでなほわが身にかへて武隈の松ともならむ行く末のため
金葉集・恋
さりともと思ふ心にはかされて死なれぬものは命なりけり
詞花集・秋
おぼつかなかはりやしにし天の川年にひとたびわたる瀬なれば
詞花集・秋
初霜も置きにけらしな今朝みれば野邊の浅茅も色づきにけり
詞花集・賀
すぎきにしほどをばすてつ今年より千代のかずつむ住吉の松
詞花集・恋・小倉百人一首
みかきもり衛士の焚く火の夜は燃え昼は消えつつものをこそおもへ
詞花集
年を経て 星をいただく 黒髪の ひとよりしもに なりにけるかな
新古今集・秋
いとどしく思ひ消ぬべしたなばたのわかれのそでにおける白露
新古今集・恋
われならぬ人に心をつくば山したに通はむ道だにやなき
新古今集・恋
いくかへり咲き散る花を眺めつつもの思ひ暮す春に逢ふらむ
新古今集・恋
かくばかり寝で明かしつる春の夜をいかに見えつる夢にかあるけむ
新古今集・恋
葛城や久米路にわたす岩橋の絶えにし中となりやはてなむ
新古今集・雑歌
あしがもの羽風になびく浮草の定めなき世を誰かたのまむ
新古今集・神祇
榊葉の霜うちはらひかれずのみ澄めとぞ祈る神のみまへに
新勅撰集・春
わがやどの かきねのくさの あさみどり ふるはるさめぞ いろはそめける
新勅撰集・雑
ゆきかへり たむけするがの ふじのやま けぶりもたちゐ きみをまつらし