入道前太政大臣道長
君が世にあふくま川のそこきよみ千歳をへつつすまむとぞおもふ
伊勢大輔
めづらしくけふたちそむる鶴の子は千代のむつきをかさぬべきかな
大中臣能宣朝臣
すぎきにしほどをばすてつ今年より千代のかずつむ住吉の松
能因法師
君が世は白雲かかる筑波嶺のみねのつづきの海となるまで
赤染衛門
さかき葉を手にとりもちて祈りつる神の代よりも久しからなむ
中務
あかでのみ帰るとおもへば櫻花をるべき春ぞ尽きせざりける
清原元輔
松嶋の磯にむれゐる葦鶴のをのがさまざま見えし千代かな
前大納言公任
ひととせを暮れぬとなにか惜しむべき尽きせぬ千代の春をまつには
恵慶法師
たれにとか池のこころも思ふらむ底にやどれる松の千歳は
よみ人しらず
君が代の久しかるべきためしにや神もうゑけむ住吉の松
大納言経信
住吉のあらひと神の久しさに松もいくたび生ひかはるらむ