和歌と俳句

下北

迢空
青山と 高断り岸の 彼方は波━。村あればかならず 汽車とまるなり

月を仰いで夜の子燕にこはがらる 楸邨

わが影の我に収まるきりぎりす 楸邨

にわが靴下北半島の砂こぼす 楸邨

波打つて昆布干されぬ尻屋岬 林火

雲夏めき草に背を擦り背掻く馬 林火

蕎麦の花下北半島なほ北にあり 楸邨