迢空青山と 高断り岸の 彼方は波━。村あればかならず 汽車とまるなり
月を仰いで夜の子燕にこはがらる 楸邨
わが影の我に収まるきりぎりす 楸邨
月にわが靴下北半島の砂こぼす 楸邨
波打つて昆布干されぬ尻屋岬 林火
雲夏めき草に背を擦り背掻く馬 林火
蕎麦の花下北半島なほ北にあり 楸邨