和歌と俳句

盛岡

牧水
盛岡の 街か灯ぞ見ゆ わが汽車の 窓に楊の 揺れては消ゆる

牧水
樅桧 五葉の松はた 老槙の 並びて春の立つといふなり

牧水
啄木鳥の 真赤き頭 ひつそりと 冬木桜に 木つつきゐたり

牧水
ほのぼのと 燃ゆる思ひに せんすべの 尽きて眺むる 梢なりけり

かなかなや日は沈みゆく防雪林 青邨

みちのくの客に夜寒の床のべて 青邨