和歌と俳句

湯殿山

芭蕉奥の細道
語られぬ湯殿にぬらす袂哉

曽良
湯殿山銭ふむ道の泪かな

茂吉
湯殿山 一の木戸なる 薬湯の あつきを飲みて いろいろ話す

茂吉
わが父も 母もなかりし 頃よりぞ 湯殿のやまに 湯は湧きたまふ

茂吉
みちのくの 湯殿の山に 八月の こほれる谿を わたりつつゆく

茂吉
あまつ日は やうやく低く 疲れたる わが子励まし 湯殿へくだる

青畝
塗畦や此所の石碑も湯殿山

静塔
人肌の湯殿詣やあしのうら

静塔
ひんやりと湯殿詣の口を縫ふ