後拾遺集・羇旅 能因
世の中は かくても経けり 象潟の 海士の苫屋を わが宿にして
新古今集・羈旅 藤原顕仲
さすらふる わが身にしあれば 象潟や あまのとまやに あまたたび寝ぬ
俊恵
この里も さこそ見ゆらむ きさがたや あまの苫屋は 霞こめつつ
西行
松島や 雄島の磯も 何ならず ただきさがたの 秋の夜の月
芭蕉
汐越や鶴はぎぬれて海涼し
曾良
象潟や料理何くふ神祭
暁台
象潟やいのちうれしき秋のくれ
白雄
高浪や象潟は虫の藻にすだく
碧梧桐
百合の句に今の象潟思ふかな
茂吉
象潟の海のなぎさに人稀にそそぐ川ひとつ古き世よりの川
草田男
象潟のはせをの合歓も晩夏の合歓
蛇笏
象潟の弓張月や曇れども