茂吉天塩川 見えそめしころ 谷の入に くろぐろとして 山はおきふす
茂吉天塩川の あかくにごれる いきほひを まぢかくに見て おどろくわれは
茂吉天塩がはの 洪水見つつ わが汽車は 北へ走りぬ 眠気もよほす
茂吉よる一夜 おりゐしづめる 雲ありて 天塩のくにを 汽車はくだりぬ
虚子稲筵天塩の山も見ゆるかな
楸邨秋天や天塩の濁り海に入る
楸邨また見えて露のおどろく天塩川