十勝野に我立つと四顧の霞かな 碧梧桐
狐吊りて駅亭寒し山十勝 碧梧桐
初風の十勝国原麦は黄に 亜浪
十勝野や幾枚かけて朝の虹 秋櫻子
十勝野は落葉松つづき虹低し 秋櫻子
宵々に雪ふむ旅も半ばなり 亜浪
馬がゐて草刈女をりにけり 櫻坡子
また山が遠くなりゆく花野かな 櫻坡子
花さぴた十勝の国に煙たつ 楸邨
月はあれど十勝はあまり広きかな 青畝