和歌と俳句

支笏湖・洞爺湖・定山渓

定山渓

だまされて道のとほしや花さぴた 立子

石狩の雨おほつぶに水芭蕉 蛇笏

洞爺湖

雲しろくあきのひかりは湖に満てり 櫻坡子

秋晴や湖の流れのおのづから 櫻坡子

雲の影花野を去りてみづうみに 櫻坡子

ひとつ残りて灯籠湖をかそけくす 亜浪

月となる洞爺の水にむし通ふ 亜浪

湖心打つて烏の声やねぶの花 桂郎

蝸牛やくるぶし冷ゆる湖の風 桂郎

うまごやしさはにゆれつつ陽は涼し 青邨

星燃えてゐる洞爺湖は良夜かな 青畝

支笏湖

はまなすの棘がかなしや美しき 虚子

山の湖の風雨雷霆常ならず 虚子

鱒解禁いたやかへでが手をひろげ 青邨