風呂吹きや何煮ても思ふ子みな失せ
笹鳴や厨ごとこそ大切に
くさや焼く京橋つ子は寒がりで
北斗の柄より降る木の葉大きかり
その生涯入坑採鑛木の葉髪
一すじの道冬紅葉濃かりけり
主婦であり且つこの道や冬紅葉
大わたや落葉ふむ音のみの道
孫と寝て朝孫童子と落葉焚く
落葉掃かれある子の墓をたゞ掃きぬ
寒椿月の照る夜は葉に隠る
この齢で何をおそるる虎落笛
三つ星の上に月ある寒さかな
京二条寒念仏はこの小路
寒木瓜や先きの蕾に花移る
これこそは寒の土筆よ小吸物