和歌と俳句

風呂吹き

子規
風呂吹を喰ひに浮世へ百年目

子規
風呂吹の一きれづつや四十人

漱石
雛僧のただ風呂吹と答へけり

漱石
善か悪か風呂吹を喰つて合点せよ

漱石
風呂吹きや頭の丸き影二つ

虚子
風呂吹きを釜ながら出してまゐらする

鬼城
風呂吹や朱唇いつまでも衰へず

淡路女
風呂吹に杉箸細く割りにけり

耕衣
甍軽うて易の気の満つ風呂吹よ

波郷
風呂吹に機嫌の箸ののびにけり


風呂吹きや何煮ても思ふ子みな失せ

秋櫻子
風呂吹や曽て練馬の雪の不二

秋櫻子
風呂吹や究竟一の柚味噌にて