子規風呂吹を喰ひに浮世へ百年目
子規風呂吹の一きれづつや四十人
漱石雛僧のただ風呂吹と答へけり
漱石善か悪か風呂吹を喰つて合点せよ
漱石風呂吹きや頭の丸き影二つ
虚子風呂吹きを釜ながら出してまゐらする
鬼城風呂吹や朱唇いつまでも衰へず
淡路女風呂吹に杉箸細く割りにけり
耕衣甍軽うて易の気の満つ風呂吹よ
波郷風呂吹に機嫌の箸ののびにけり
貞風呂吹きや何煮ても思ふ子みな失せ
秋櫻子風呂吹や曽て練馬の雪の不二
秋櫻子風呂吹や究竟一の柚味噌にて