和歌と俳句

マスク

頬骨にマスクのあとや夜の客 石鼎

失業をしてゐるマスクかけにけり 禅寺洞

マスクして紅きくちびるかくれけり 草城

マスク同志向ひ合せてまじまじと 汀女

マスクして残れるものの引眉毛 汀女

マスクしてしろぎぬの喪の夫人かな 蛇笏

マスクして我と汝でありしかな 虚子

図書館の薄暮マスクの顔険し 楸邨

屋上に人等をり我はマスクしをり 鷹女

屋上の猿をさびしみマスクなせり 鷹女

北風の猿に忿られ吾がマスク 鷹女

マスクして瞳にははろけき雪の富士 鷹女

マスクして我を見る目の遠くより 虚子

うち笑める眉目秀でてマスクかな 虚子

マスクして揺れて居るなり汽車の客 虚子

マスクせる兵の感涙きらびやか 蛇笏

マスク白くいくさに夫をとられきぬ 楸邨

マスクもるゝ心の吐息きかむすべ 万太郎

マスクして何をかおのがつぶやきし 爽雨

マスクしてへだてしものに月星も 爽雨

マスク一つ干しあり母娘共に忙し 草田男

マスクして一言居士が樹を撫でる 不死男


短日 冬の日 顔見世 冬の空 水鳥 初雪 初氷 寒さ 冬木立 枯木 冬枯 枯尾花 冬の山 枯野 みそさざい 都鳥 千鳥 冬の海 河豚 海鼠 冬ごもり 埋火 囲炉裏 焚火 炬燵 暖炉 火鉢 火桶 湯たんぽ 風邪 蒲団 マスク 襟巻き 日向ぼつこ 北風 霜夜 冬の雨 冬の月 冬至 柚湯 クリスマス 師走 極月 年の市 煤払い 年忘れ 餅つき  歳の暮 行く年 大晦日 除夜 除夜の鐘