来山
顔見世や戻りにそしる雪の寸
蕪村
顔見世や夜着をはなるる妹が許
蕪村
かほ見せや既にうき世の飯時分
蕪村
旅立や顔見せの燈も見ゆるなる
召波
皃見せや伏見くらまの夜の旅
召波
顔みせや空だきものゝ舟一片
太祇
顔みせの難波のよるは夢なれや
几董
顔見せや北斗に競ふ炭だはら
几董
かほみせや矢倉に起る霜の声
虚子
顔見世を見るため稼ぎ溜めしとか
草城
顔見世の前景気とはなりにけり
風生
顔見世のまねき見て立つ手をつなぎ
退け待ちて妻のあとより顔見世へ 花蓑
万太郎
顔見世の京に来て見る入日かな
万太郎
顔見世やおとづれはやき京の雪
秋櫻子
顔見世の連弾冴ゆる月冴ゆる
秋櫻子
顔見世や櫓の月も十五日
青畝
顔見世の和事に役者親子かな
秋櫻子
顔見世や鳳凰しろき櫓幕
立子
顔見世といへばなつかし吉右衛門
秋櫻子
顔見世や口上木偶の咳ばらひ
秋櫻子
顔見世や名もあらたまる役者ぶり
秋櫻子
顔見世やバスを連ねて成田より
秋櫻子
顔見世の噂や火鉢拭きながら
風生
顔見世の大番付の端役かな
林火
顔見世に高野の僧も参ずるか