一つ戸や雀はたらく冬かまへ 曽良
古寺の簀子も青し冬構 凡兆
藁掛けて冬構へたり一つ家 子規
門閉じぬ客なき寺の冬構 漱石
砂浜や心元なき冬構 漱石
冬構の中に鳥居の裸かな 碧梧桐
高き木に梯子かけたり冬構 虚子
あるたけの藁かかへ出ぬ冬構 鬼城
中庭に見ゆる海はも冬構 万太郎
椿咲くことのいたづらや冬構 万太郎
庭木各々色定まりぬ冬構 泊雲
桐の実の鳴りいでにけり冬構 不器男
米一俵炭五六俵冬構 淡路女
奥山の芒を刈りて冬構へ 普羅
一枚の貰ひ布団や冬構へ 月二郎
冬構して朝ぼらけ夕ぼらけ 石鼎
そゝりたつ庭木がこひや冬構 石鼎
篁の鉾ゐならべり冬構 波郷
冬構庭木や篤し人よりも 友二
萱束を立てかけしのみ冬構 蕪城