拾遺集 よみ人しらず
水鳥のしたやすからぬ思ひにはあたりの水もこほらざりけり
金葉集 曾禰好忠
水鳥は氷のせきに閉ぢられて玉藻の宿をかれやしぬらむ
千載集 紫式部
水鳥を水のうへとやよそに見む我も浮きたる世を過ぐしつつ
千載集 匡房
水鳥の玉藻のとこの浮枕ふかき思ひはたれかまされる
京極関白家肥後いけみづに むれておりぬる みづとりの はかぜになみや たちさわぐらむ
定家
水鳥のうきねよ何のちぎりにてこほりとしもと結びおきけむ
鬼貫
水鳥のおもたく見えて浮にけり
蕪村
水鳥や枯木の中に駕二挺
蕪村
水鳥や挑灯ひとつ城を出る
蕪村
水鳥や夕日江に入垣のひま
蕪村
水鳥や巨椋の舟に木綿売
水鳥や挑灯遠き西の京
暁台
水とりの立行程や淀の松
白雄
水鳥や江をうつ芦の下はしる
几董
水鳥や墓所の火遠く江にうつる
一茶
水鳥よぶいぶい何が気に入らぬ