茶の花や白にも黄にもおぼつかな
水鳥や百姓ながら弓矢取
宗任に水仙見せよ神無月
水鳥や枯木の中に駕二挺
草枯て狐の飛脚通りけり
入道のよゝとまいりぬ納豆汁
朝霜や剣を握るつるべ縄
町はづれいでや頭巾は小風呂敷
引かふで耳をあはれむ頭巾哉
みどり子の頭巾眉深きいとをしみ
水仙や美人かうべをいたむらし
易水にねぶかも流るゝ寒かな
皿を踏む鼠の音のさむさ哉
冬こだち月に隣をわすれたり
二村に質屋一軒冬こだち
このむらの人は猿也冬木だち
御火たきや犬も中々そゞろ皃
一しきり矢種の尽くるあられ哉
寒垢離や上の町まで来たりけり
寒ごりやいざまいりそふ一手桶
打かけの妻もこもれり薬喰
口切の隣も飯のけぶりかな
水鳥やてうちんひとつ城を出る
寒ごりに尻背けたるつなぎ馬