曙や淡路を春のしなさだめ
初日かげ人に先さす恵かな
青海の春よりうつる草の庵
蓬莱に眼をかよはすや淡路しま
蓬莱のうへにやいます親二人
十徳のうしろに来たり今朝の春
若水を汲につけても庵のはる
明星の色を外山のはなの春
まめやかに是も春たつはね釣瓶
春たつや梢の雪にひかりさす
華に先二日ちかよる二日かな
先春に空はあは雪梅つばき
酒屋出て我は杖引子日かな
引添て杖にもむすぶ小松哉
七草やなくてぞ数のなつかしき
な ゝくさや明日は野寺の初薬師
薺うつ遠音に引や山かづら
まな板にうすくまかる ゝ薺かな
若草やあるがなかにもしら菫
おどろかすどんどの音や夕山辺
しら梅やたゆむあらしにほの匂ふ
宵闇の名もある里かうめの花
あざやかに一輪づ ゝやうめの花
節の日やあらかた開く梅の花
草庵の東隣は野梅かな