元朝の見るものにせん富士の山
筆ひぢてむすびし文字の吉書かな
まん丸に出れど永き春日哉
手をついて歌申上る蛙哉
にがにがしいつまで嵐ふきの塔
べんけいもたつや霞の衣河
うづききてねぶとに鳴や郭公
すずしさや水に柳の影法師
月に柄をさしたらばよき団扇かな
七夕の夢の浮はしは烏鵲かな
塩がまの景よき浦に月出て
風寒し破れ障子の神無月
一年のとしとかくしてくれにけり
としくれて人ものくれぬこよひかな
かし夜着の袖をや霜にはし姫御
さむくとも日になあたりそ雪仏