そよそよそよ昨日の風体けふの春
難波江はけふぞ春風春の水
信濃路の駒は春もや木曾踊
世の中よてふてふとまれかくもあれ
されば爰に談林の木あり梅の花
はつ花や急ぎ候ほどに是ははや
花で候御名をば得申舞の袖
ながむとて花にもいたし頸の骨
花むしろ一けんせばやと存候
海はすこし遠きも花の木の間哉
殿風や東西東西江戸ざくら
松に藤蛸木にのぼるけしきあり
菜の花や一本さきし松の下
よれくまむ両馬が間に磯清水
命なりさゆの中山香需散
峰入は宮も草鞋の旅路哉
薬かん屋も心してきけ時鳥
ほととぎすいかに鬼神も慥にきけ
蛍火は百がものありなめり河
蚊柱や削らるるなら一かんな
花落ちて青雲なびく樗哉
なんともはや楊梅の核昔口