2009年8月2〜9日 ことば悦覧in京都 記録集    home 

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 森田一弥さん編   8月05日 Am10〜  晴れ 

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 その03  

森田:お湯がこう、くれるんですよ。
佐藤:くれるんだ
森田:うん。
佐藤:電車に乗るとね
森田:乗ると。でみんな瓶にお茶の葉っぱ入れて持ってい。そん中にお茶入れて
佐藤:蓋つきの茶碗ですすっているのね
森田:そうそう、すすっているんですよ。

佐藤:水もなしじゃ〜死んじゃうよな。55時間
森田:55時間
佐藤:乗ったことないな〜 想像出来ないぞ〜 4時間乗って、福島から京都に来るのに飽きちゃうのにね
森田:あきる
佐藤:5往復しても40時間だしな〜 凄いですね〜ちょっと想像できないな〜

森田:今思いだしてもぞっとするあの電車は
佐藤:へーそれで ぎゅーぎゅー詰めですかそれで
森田:ぎゅーぎゅー詰めですね
佐藤:ウルムチまで行って。ここまで55時間掛かって、そっから先何かあるんですか

森田:ここが今有名な町なですけどシルクロードの。ここまで36時間ぐらいかかるかなバスで。
佐藤:バスがあるんだ天山山脈の裾野をバスがとことことことこ進
森田:そう。こっからカラコルムハイウエーっていうのを越えてパキスタンに入るんですよ。
佐藤:ハイウエーっていうの本当に高速道路なの
森田:いや全然、山道ですよ あはははははは
佐藤:ただの山道
森田:だたの山道、バスが下に落っこっているのが見えるっていう
  
佐藤:
ほんと!!
森田凄い道で
佐藤:旅だな〜恐いね。へーえ。何日ですか

森田:ここもまあ丸1日、まる2日掛かる、朝出て次の日の夕方着く
佐藤:地図で色が濃くなっているから高そうだね
森田:この辺高いですよ、1番高い所で4500mぐらい
佐藤:へーえ高い!高山病になりそうだね
森田:なりますなります。なりまくり

佐藤:なりまくりね。
森田:高山病も弱いんですよ僕 ふはははあはは
佐藤:金魚池のそばの低い土地で産まれたからそうだろうね
森田:うふふふふふ

佐藤:それで1週間ぐらいでしょう
森田:それで1ヶ月半ぐらい経ってますけどね
佐藤:所々で滞在してるのね
森田:滞在してるんですよ、1週間とか。ずーっと来て、ギルギットこの辺ですね、この辺から抜けてきて。イスラババードとかペシャワールとか。
佐藤:その辺当時は長閑でしたか、戦争はやってないよね、911以降戦争だし

森田:
戦争はやってないですよね、今はこの辺は危ないですけど、アフガニスタンは当時危ないくって行けなかかったですよね
佐藤:ソビエトと揉めてたよね

森田:揉めてたんですよ。僕はこれいってインドまで行って。そんでもう一遍こっちまで戻ってきて。ああ当時はここからロシアに飛んだのかな
佐藤:飛びますね〜ロシアね
森田;ここからここまでは前の年行っていたので。前の年はここからパキスタンここら辺通って。こっちのイランに行ってイランかあらトルコに抜けて

佐藤:アジアはどこでも行っているね〜アフリカは。ヨーロッパは当然行ってたんでしょう。
森田ヨーロッパに行ったこと無いですよ。
佐藤:パスしているわけだ、そかそうか
森田:お金が無くってね
佐藤:銭の掛かる西洋文明の地にはいかないと
森田:そう
佐藤:安くってたっぷり旅行っていうとこうい場所になちゃうんだ
森田;そうなんですよ
佐藤:観光地化してない所へ行くと。

森田:1年行ったときは、こっから陸路で行ってたんで。ロシアに飛んで。モスクワからこうバルト三国とか。東ヨーロッパを。モスクワからラトビアエストニアリトアニアって当たりに。行って。

佐藤:91年に大学だからソビエトはもう無いよね、崩壊しているものね
森田:そうです、一応エストニアになっているみたいな感じで。ポーランドチェコ
佐藤:東欧をグルグルしてても旅費掛からないですか
森田:旅費掛からない。1日千円が予算だったん
佐藤:1年で 36万5千円、そんなんでOKなの
森田:OKでしたよ当時は

佐藤:日本は高いね〜
森田:高いですよね〜 ふへへへえへへへへ
佐藤:本当だ
森田:そうですよ、そうだよ海外の聞き取り行ったらはあははははあは
佐藤:何十日も暮らせちゃう、忘れられちゃうぐらい いることができるね。本当ですか1日千円でね。アフリカはどうでしたか。

森田:アフリカは当時、そのときはエジプトまで行って
佐藤:ご苦労様でした
森田:いえいえ大変でした。
佐藤:それでアメリカだけは行ってないとか
森田:アメリカ行ってない
佐藤:やっぱり
森田:あははははは。アメリカ行ったことない、それろそろ行かないと拙いかな〜という感じで

佐藤:学生時代は休学してまで アジアのあたりの地球を歩いていたと
森田:学校行ってもしょうがないだろうと
佐藤:なるほど、変わっていると言うか、動物といてはウロウロは普通とうかさ、一番 暇な時には旅行をしていたと
森田:そうですね


  (修士 ラサで論文調査)

佐藤:なかなか賢いですよね。そうですか。それは一応修士ですか。修士を1年休学してまた次の年行ったってことでよね。
森田:はい
佐藤:もう学校へ行ってないと

森田:一応布野さんに
     論文はチベットのラサで書く
と言って
佐藤:空気の薄い なんでまた、ラサで何を書いたんですか
森田:ラサの街がどういう仕組みで出来ていって、住宅もどういうふう仕組みで出来ているという論文を書いて。
佐藤:現地で調査して、空気薄いじゃないですか
森田;薄いんだよね

佐藤:論文書く前に酸欠しそうだ、息吸うのだけで大変じゃないですか
森田:そうそう、歩いてるだけではあはあいちゃうですけど。うん。
佐藤:それで論文は書いたんですか
森田:書いたんですよ

佐藤:今あるんですか、冊子にしたて出すんじゃないんですか
森田:冊子だしますね〜もってないんですよね
佐藤:デターもってないの
森田:データは持ってますけど

佐藤:その頃はパソコンありましたか、ああワープロか
森田:パソコン学校には在ったけど個人では持ってなかった
佐藤:手で書いた
森田:一応学校のワープロで書かせてもらって、学校でプリントアウトさしてもらってていう感じです。 
佐藤:データは持っていると
森田:今開けるかどうかも分からない。当時僕ラサへ行って。柳沢君もインドの研究やってるじゃないですか。
佐藤:博士論文もらって来ました。
森田:あ、そうですか。凄いですね

佐藤:見たことないですか
森田:見たことない。
佐藤:もらって来ました。サイン入りでもらって来ました。
森田:彼の論文面白いですよね〜
佐藤:まだ中身は読んでないんです 表紙だけ見て

森田:ヴァーラーナシとラサって似てる巡礼路があるんですよ!お遍路さんみたいなやつが
佐藤:巡礼路ね、ラサの中にですか
森田:中で。町に一番、中心にお城とポタラ宮殿というお城と、お寺があって
佐藤:僕も行ったですよ

森田:本当ですか
佐藤渡辺豊和さんと
森田:マジですか!!凄いね
佐藤:渡辺さん空気薄いから さすがに言葉数少なかったけど
森田:あそこ巡礼路あるの知りませんでしたか
佐藤:しりませんでした
森田:あるんですよ。
佐藤:五体倒置しながら進んでいる人はいたけど

森田:そうそう。三つ巡礼路が在っ。一番外側のやつが10kmぐらいで町全体を廻るやつで。その外側は穢れている土地と言われていて。イスラム教徒は町の中に住んじゃいけないと。

佐藤:良い勉強になったな、そうかそうか。チベット仏教以外入ってはいけないわけだ。
森田:だけどチベット仏教徒も肉喰わなきゃいけないから屠殺(とさつ)する人間が必要なですよ
佐藤:肉なんか食ってました。
森田:喰ってます喰ってます。
佐藤:イスラム教の人々が殺しているんだ
森田:殺しているの、で町の外れにモスクが在るんですけど。巡礼の外側に

佐藤:
それは知らなかったな今日まで。チベット仏教のお坊さんにヤクバター茶ってうのをもらって、これ呑むと高山病に効く〜ってわかって。途中でlがばがば呑む。呑まないと頭痛くなって眠れないんだもん。お坊さんにお茶をもらって呑みましたけどね。

森田:僕は聞き取りやっていたから、聞き取り行くたんびにあれを死ぬほど呑まされても。
佐藤:マズですか、僕はまずくなかったですね
森田:それはいいやつですね あはあはははあはは
佐藤:甘くてヤクの乳入りだもん
森田:ああそうなんだ。本当臭いんですよ。ほんとうヤクってね。牛みたいなもんだから、動物の臭いがして。牛の糞みたいな臭いですよね。

佐藤:森田さん牛の糞呑まされてたんじゃないの〜はあはははははよく下痢しなかったですね
森田はは
佐藤:よくもま〜あそこで人が生きているのが不思議 紫外線強いじゃないですか。山はあるけど木が生えてないから、見えているけど登ったら死にそうだ。、平らな所歩いているだけでもハアハアハアハア、息絶だええ〜なんだもん。そこに山があるから登るなんて言葉信じられない!言ってられない
森田:そうそう

佐藤:へ〜!巡礼路あるんだ、面白いな知りたいね。そうなんだ、ラサに何ヶ月いたんですか
森田:一ヶ月居たけど、2回行ったんで2ヶ月
佐藤:何語で聞いたですか。
森田:当時は中国語とちょこっとチベット語を勉強して聞いてましたね。
佐藤:一人で行ったですか。
森田:一人で行きましたね
佐藤:現地の人が変わってるやつが来たって手伝ってくれたんじゃないですか
森田:あんまり居なかったですね

佐藤:みんな生きるだけで忙ししんだ
森田:そう、話掛けては来ますけどね。面白がって。
佐藤:漢人とチベット人は
森田:両方表記されてましたね

佐藤:去年 暴動起きてね、凄いね、あのニュースに触れると痛々しいよね、やり過ぎだろうって、中国もやり過ぎだよね
森田:やりすぎですね〜電車が通ちゃったからもうだめでしょうね。僕行ったときに電車がなかったから。

佐藤:そこで論文を書いて、2年で書き上げた。1年休んだけど
森田:それから2年行ったんですよ。1年休んで。大学に(修士)3年行って
佐藤:博士課程は
森田:博士は行かなかったです



 (森田 左官屋になる)

佐藤:それでどうしたんですかその後は
森田:左官屋
佐藤:左官屋!旅する学生巨人がまたなんで、いきなり左官になれないじゃないですか、弟子!?
森田:弟子です

佐藤:へーどこへ行ったんですか左官屋さんは
森田:左官屋さんて、京都の漆喰屋さんっていう
佐藤:京都には左官屋さんいるんだまだ。
森田:居ますよ。もう文化財専門のところで。文化財も金閣寺、京都の妙心寺、とか広隆寺とか。京都御所とか。ぼく随分京都のお寺の壁塗ってますよ。

佐藤:凄い転身変身ぶりだな〜
森田:うはははあは
佐藤:下塗りに森田って名前書いてるじゃないでしょうね、上塗り剥がれてきたら日付と森田が出て来る
森田:うははあはははは、アイツに連絡しろとか書いて
佐藤:ケイタイ番号まで書いてあったりして あははあははは、面白いねそれね

森田:僕が作った建物より長持ちするかもしんない
佐藤:そうだよね、文化財だから持たせちゃうよね〜 100年とか300年後に森田ってサインが出たってニュースになりそうですね、ケイタイ電話番号書いてあるるけど。090とか書いてあるけどこれは何だと皆で悩む。共にあはあははははは。こんど書いて置いてください。ケイタイ無くなっているかもしれないし。

森田:もちろん最初はね弟子ですから最初の2年ぐらいはひたすら材料を作りと。掃除と。
佐藤:土舐めたりするんですか、酸っぱいとか言って
森田:親方とか舐めたりしますね。
佐藤:また転身のしかた珍しいですね〜。修士まで出で左官屋さんになったと。周りのみんな呆れてたんじゃないの。

森田:そう
佐藤:森田は何考えてんじゃと、だれも相手にしてくれなかったとか
森田:その間は全く連絡とってなかったから
佐藤:学生だってことは布野さんしか分かってなくって、森田ってやつは、あいつは学校にこなくってもよさげだと
森田:左官屋に成っちゃって、どうなんだろうねって感じですよね

佐藤:それで左官屋さんは何年やっていたんですか
森田:5年やっていたいんですよ
佐藤:最初の2年はただひたすら下働き。
森田:下働き。
佐藤:壁なんた塗る暇がないと、残りの3年間であっという間に塗れるんですか、落ちてる 落としちゃう量の方が多いんじゃないの

森田:だから 夜練習するんですよ
佐藤:夜自主トレね、夜ね。

森田:朝7時集合して。7時頃倉庫に帰って来て。次の日の積み込み終わるの8時で。そっから練習するわけですよ。自分の練習する台を作って。コンパネをね枠に、こう塗って剥がし、塗って剥がして。
佐藤:イチロウみたいだね。
森田:そう
佐藤:みんなが寝静まった頃、ひたすらモクモクと壁を塗る練習を
森田:そう、。ふふふふふ
佐藤:何のために練習したてるかも、私は何か、哲学的なことは考えてたんですか
森田いや ただひたすら 

佐藤:それを1年2年やったんですか。それでも駄目でしょう
森田:まあそれやって、親方がそれを見て。ああこれぐらい出来るようになったなという処で、ジャー押し入れ塗ってみろとか
佐藤:見えない処からね
森田:見えない処からね。塗らしてもらえるようになったんですよね。
佐藤;何か文句でも言ったら もう一年下働きって感じだね
森田:ははははははそうですよふふっふ

佐藤:それで仕上げまで行っちゃったですか。残り3年で
森田:そうですね。仕上げも漆喰だったらそんなむずかしくないんで。
佐藤:そうですか。
森田:塗り始めたらね〜巧くなるの早いんですよ。
佐藤;それはバスケットと同じで、体のこなし方が良いからでしょう、すばしっこさ

森田:
ああもちろんそれは大いにありますよ

    45:04

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