2009年8月2〜9日 ことば悦覧in京都 記録集    home 

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 森田一弥さん編   8月05日 Am10〜  晴れ 

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 その11  

 
森田:それが片思いに終わる場合もありますよね。可能性勿論ありますよね。一方で建築家として必要とされる場所であればどこでもいいと思っているので。日本じゃなくってもいいし。中国の奥地でも、アフリカでも。

佐藤:家族は嫌がるでしょう
森田:うちの連中けっこう対応の力あると思うので大丈夫ふははあははは

佐藤:それは凄いな。そういう考えで静原に、原っぱじゃないけど
森田:ちょっと広げてるところは原っていうんですよね大原といか言うじゃないですか。大原、静原、市原

佐藤:魚谷さんと森田さんに今年の3月会ったじゃないですか。京都は二人だけインタビューでいいやと思ったら、魚谷さんが10数人紹介してくれて。
森田:ああそうなの
佐藤:あれはびっくりしたね、こんなに仲良しがいるんだ〜。歩いてみたら皆近いのね。
森田:あの辺は近いですよね。うん。
佐藤:なんだ この近さは、徒歩で行ける!またビックリして。他の地域とまったく違う親密さがあって驚いた。


 京都の職人さんとの話を残そう

森田:僕が思うのは京都はもちろん町が小さいので建築家同士も近いんですけど。その付き合いよりも、職人との付き合いが濃いですよ神楽岡っていうの柳沢君と一緒にやり始めて。普段文化財触っているような連中一杯いるわけですよ。ここら辺に。そういう連中と話して。素材のこととか、技術の事聞くのもおもしろい。

佐藤:それは記録にしている人 いないんですか
森田:記録はあんま執ってないかな〜文字起こしまではしてないですよ
佐藤:音だけ採っておけば別に問題ない
森田:そうですね

佐藤:暇な時に文字に起こしたり、お金が出来たら外注するとか 肉声は消えてなくなちゃうから。いいんですよ 雑談ですよね
森田:雑談ですよ

佐藤:ざっだん採って起こしておけば。編集でなんども使い回せると思うんですよね。改まって話せと 言っても職人さんは無理だろうから
森田そうですよね

佐藤:ドキュメンタリー映像番組って40時間のフィルム回して。で1時間番組つくる作家は優秀らしいんですよ。音ドキュメンタリーも同じでしょうから。音録も文字起こしも1時間話したなかで2、3分ぶん使えたら上等。そのくらいでもいいと思うんですよね。職人さんの肉声があるか無いかで全く違うので、テレコのような簡単なものが出来て、音録データは映像データより少ないので。何時でも音採っておいたほうがいいように思いますね。音だと福島までも、宅配データ便で電送できますからね。いただければ 僕も起こせるんですよね。凄い便利ですよね、今は

森田:へえ〜
佐藤:俺が起こすから職人さんの肉声を、そういうのやらない
森田:はじめたのだいぶ前でね〜、当時は全然考えなかったですね〜
佐藤:そういう記録を残すためにも時々思いだしてやってみてください。雑談消えて無くなるのもいいと思うんですけど、残ってもいいと思うので。職人さん一人語りはむずかしいでようから、森田さんが聞き採り役になって。酒飲みながら。やってください。俺が暇な時に起こすから

森田ははははは。はいはい
佐藤:畳みの話でも、漆の話でも、飾り金物の話でもいいんですけども。森田さんがそんなにおもしろいと思う話は記録して置いた方がいいんじゃないかな〜と今思いました。

森田さんの話を聞いて思ったのは時間の経過の中で過去・未来、それから地域的、領域のコラージュが両方起きていくような気がしました。町家の話とか職人さんの話きいてて。

 切り妻屋根


森田:町家っていうとね今やっている、そこに並んでいるのが2つ。そっちが京都、右っかわが東京でやっているんですけど。3階建てのやつが東京のやつです。それは3階建てのスタンダード町家タイプ。
佐藤:東京にも町家を移植したわけですか
森田:そうですね。
佐藤:工事やっっているんですか
森田工事やってます

佐藤:凄い勢いで建ててますね〜
森田:いやいや、それぐらいないと。

佐藤
:生活出来ないね
森田ふふふっふ、それは大学のときに友達が家建てるっていうんで。じゃーやってあげるよって言って。

両方とも京都も東京も細長い敷地で。色々スタディーしていくと。町家というかあの切り妻屋根はなかなか優れたシステムだな〜と思って。
佐藤:どういうことですか

森田:何だろう。その雨の勾配を逃すこと。雨の逃がすシステムであり。光を採り入れるシステムであり。何か完全にバーントやっちゃうと西日とかもの凄いキツイし。そういうのを足りない部分を妻側とか天窓で補いつつ。適度な光を採り入れたりとか。あとは庭のとりかただとか。凄く現代的に、空間のプロポーションを解釈し直してもおもしろいな〜と思って京都のやつはそれをじゃー5つ並べてやろうって。もの凄い細長い敷地なんで。やっているのがそれで。高さだとか幅だとかを、プロポーションを変えて。町家というか切り妻屋根なんですけど。

佐藤:真っ直ぐな通路になっているんだ。
森田:高かったり低かったり幅が変わるような、切り妻屋根がドンドン連なっていく
佐藤:京都に来て話聞いてきましたけど、皆さんそれぞれ対応が違いますよね。そういう町家への思いの それぞれの違いを話合ったことはあるんですか。

森田:僕はあんまり。魚谷君の話も聞いたことあるし。彼の町家の話も聞く。僕は町家って形式っていうようりは切り妻屋根。切り妻屋根はこの細長い敷地になかなか合うなと。で、切り妻屋根を徹底してどこまで出来るかっていうのは、しばらくやりたいな〜と思っている。
佐藤:谷が沢山できるけど
森田:それはちゃんとやれば大丈夫ですよ
佐藤:掃除をしてね。これは工事やっているんですか
森田:これはたぶん来年ですね

佐藤:中庭と奥の庭があって。前庭もあると。なるほどね。これだけやってないと生きていけないか〜 仕事してない 俺だけ浮世離れしているな〜
森田:あはははあははは

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