2009年8月2〜9日 ことば悦覧in京都 記録集    home 

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 森田一弥さん編   8月05日 Am10〜  晴れ 

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 その09  

ローカルとインターナショナルの両立を目指し

佐藤:町家を作ってもですか
森田:何か、規模が大きすぎて、何かこう町に貢献している気分がしないみたいな。ここ(静原)に根ざしてやるんだったら何か、感覚得られるんじゃないかな〜と。こないだも近所でオーガニック・カフェをやっている処があるんですけど。そこで漆喰のワークショップやったりとか。
佐藤:近所の人達集めてね
森田:子供が集まったり、あとは消防に入ったりとか。そういう処に建築家が居ると。でここだけでやっているんじゃなくって、色んな処でやっていると。ちゃんとローカルであることとインタナショナルであることを、両立させたない〜とは思ってますね。

佐藤:ここ静原は村ですか、京都市ですか
森田:市ですね。
佐藤:ここを代表して市会議員ですか
森田:それはやるつもりはないですけど
佐藤:そういう活動ですよね
森田:うん。建築家で僕は貢献出来る技術っていうのは建築の技術だから。政治の技術で貢献しようとは思わないので。建築家として何が出来るか?たぶんそれは京都市に居るよりは、ここい居る方が何か地域のリアルな実情とかが見える

佐藤:自分の行動や言葉に対しての反応も返ってくる
森田:還ってくるですよ 
佐藤:専門誌に載って安心じゃなくって、その日のうちに反応がかえってくるものね
森田:ぼく ブログに日記書いているんですけど。ここの集落の人もの凄い見ているんですよ 

    共にふほほほふふふふ

佐藤:有線放送みたいな感じだね
森田:そう。なんかねへたなこと書けない感じなんだけど。田舎って言ってもそんな田舎じゃないけど。自分の手の届く範囲というか

佐藤:
森田さん一軒一軒の状況を書いてあればいいんじゃないの、誰々さんの息子さんはこんな事を行っていて、こんなメッセージが来てますよ〜皆さんと。
森田:あははははは
佐藤:伝えればバラバラに成っていた、隣の息子がこんな事をやっていたか〜。誇りになったり、マイナスの情報もあるだろけども、そいう情報を発信するとまた違う状況が出て来るよね。みんなで共同作業しまようと。建築をつくるとか農作物を作るとかじゃなくって、それぞれの地域の人がもっている情報を、みんなで共有するっていうことが、大切なわけですよね。

スペインで建築家がこんなおもしろいものを作ったよとアナウンスする人がまず居たように、地域の人の情報を伝える人がいると益々ブログパワーが発揮されるかなと思いました。

(森田ブログより田んぼの中の道を歩く「御幸持ち」一行

そのことによって森田さんが建築家であると同時に社会的な存在としての意義が増して。地域社会を再生していく切っ掛けにもなるし。そして建築家の職能っていうのも、ローカルな処から世界に繋がっていくという気がしたんです。今の話聞いてて。自分の技術や職能を使って村の情報をも伝えようとしている態度はすごいな〜と思って。

地域に根付く努力もしつつ世界にも出て行くという行動は凄いいいですね。あまりそういう建築家の存在と姿勢と行動は知らなかったですね。森田さんは知られて当然たと思うけど、俺、知らなかった。日本の建築系メディア反応無かったと

森田
:そうそうア−キテクチャーレビューは反応してくれるんですけどね。今言われた通りに日本のメディアは何か発掘するっていう気は無いから。もう既に持ち上がっている人を一生懸命持ち上げるのに一生懸命だから。まあむしろ海外でちゃんと知ってもらって。海外で興味のある人はコンタクトしてくれるっていうほうがおもしろいですね。

佐藤:森田さん気分は良いだろうけど、俺の気分としては英語も喋れないし大陸も横断してないしさ〜
森田はははははは
佐藤:それだけでは困るよ森田さん!!って言いたいよね。

森田:だけど僕の持ている左官技術っていうの。何か日本だけに限っちゃうと建築基準法では構造にもならないし。何かあんまり役に立ってないんですよ。何か木造の内装ちょっと表面仕上げて、変わった仕上げですね〜でおしまいなんだけど。世界でどうふうに役立てるか?って考えると。

例えばさっきのシルクロードだとか、アフリカだとか役に立つ所は一杯在る。うん。だから僕あの〜藤村君が出した本で取り上げてもらってマイノリティー・インターナショナルっていうキーワードを言わしてもらってるんだけど。 何か近代建築っていうのは世界中これで埋め尽くすぜ!みたいな。イデオロギーじゃないですか。

そうじゃなくって左官の技術っていうのは全部じゃないけど、ここと、ここと、ここはいけるよぐらいのね。ちょっと少数派のための技術でだけどインターナショナルな技術だと思うんですよね。僕がこういうふうに日本でやっているような、ああいうドームの研究だとかは、たぶん日本ではたいして使えなえんだけど。ネパールの山奥とか、エジプトだとかそいうところに持っていったときに役に立つんじゃないかな〜と思って。そういう意味で僕は国内よりもインターナショナルな場所で注目してもらって。本当に必要な人に読んでもらえるのがいいな〜と。

今のメジャーなアーキテクトがね金持ちに呼ばれて、ブロジュアのために仕事するっていうんじゃなくって。坂茂さんが震災が起きるとそこに仮設住宅建てに行くみたいに。半分あれはね、自分のプロモーションですけど。

  ともに ふふふふ

(香港のTV局の取材を受ける森田さん2009/10/6)

森田:もう少し、ああいう社会貢献みたいなかたちで、やっていけるんであれば。僕の持っている技術っていうのは色んな処で役に立つんじゃないかな〜と思うんですよね。

佐藤:もう本に載って、事例を作っているから、あとは記録して、みんながどうやって森田さんを知るかと。それだけの話ですよね。
森田そうですね
佐藤:期待しているけど、日本の建築系ジャーナリズムがよくなるかどいかは分からない。自分で一次元情報に当たって、森田さんに直接当たって情報を集め加工し書くような状況になってないんだよね。 国交省とか都道府県庁の記者クラブで流されてくる情報が主だから。建築士や建築家や発注者にとって有効が情報が流れているわけではない。各自バラバラの方が誘導して法律は作りやすいからね。出来た法律は誰のための役に立っているのかかなり怪しげな法律が多いじょうきょうですよね。病が重いですね。でもまあ、マイノリティーインターナショナルでこつこつ、やっていると。ネット技術があるので、今までとはちょっと違う状況になるかもしれない気がしますね。森田さんに対する海外メデアの反応の良さには、そうだよな〜と。何でこんなに違いがあるのか?ていうことは、本当に根深い問題ですよ。

森田:あとは まあこういうふうに載ったとしても僕が本当に仕事したいような場所の人には届かないんですよね情報っていうのはね。だからたぶん何か違う、やりかたをしていかないと。

(09年10月〜半年スペインの建築家森田事務所に参加)

佐藤
:森田さんが日本に生きているからでしょう
森田:そういうことでもないと思う。現に(渡辺)菊眞はヨルダンで建物建てるじゃないですか。
佐藤:そうですか 知らない ヨルダンで土嚢ハウスを建てているんだ
森田土嚢ハウスを、地域のコミュニティーのための建物をやっているんですよ。あれは何だろう。天理大学がやっている海外のNGO、事業みたいな処と関係があって行っているんだけど。そういう処に僕にはこういう事が出来ますよというのを伝えないと駄目なんですよね

佐藤:ペシャワール会の中村先生みたいな人に伝えるわけだね
森田:そうそう
佐藤:森田さんはその方向を考えているわけだ
森田そういう事でも貢献していきたいな〜

佐藤:ロバに乗って、医療をするだけじゃなくって運河を造って。左官技術を使って診療所を作るとか。寺子屋作るみたいなそうう感じね。日本じゃ基準法あるからなかなかむずかしと。1:15:24
 

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