和歌と俳句

松茸 まつたけ

まつ茸やしらぬ木の葉のへばりつく 芭蕉

松茸やかぶれた程は松の形 芭蕉

まつ茸やあれもなにかの雨やどり 千代女

雨はやし松茸山のすてかゞり 暁台

松茸はにくし茶茸は可愛らし 子規

松茸は茶村がくれし小豆飯

松茸の香も人によりてこそ 虚子

土の香や松茸山の通り雨

垣外の松茸山も寺領かな

牧水
松茸の かをりを嗅げば 村住の 友がこころに 触るるおもひす

貧厨に松茸を焼く香かな 草城

肉鍋や松茸白く介在す 草城

二三日晴れ松茸の膳に上る 亞浪

盃にとくとく鳴りて土瓶蒸 青畝