和歌と俳句

秋元不死男

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カナリヤの声がよすぎて張る

冬麗や畳鰯の死の模様

寒椿待てば浅草オペラ湧く

奥の手の泣いてばかりやちやんちやんこ

寒鴉身の時計鳴り巣に帰る

菊枯るるいのちあるゆゑ湧く泪

筒袖の母に山から冬がくる

隙間風妻を離してゐたりけり

病む妻の裾に豆撒く四粒ほど

初氷北斗封じて小田寝かす

太陽がまぶしさ嫌ふ雪達磨

きて術後の弱き目を荒らす

術後いぢらしや凍む手を筆落つる

湯婆とのわかれはいつや梅蕾む