ひらひらと深きが上の落葉かな
木枯や皆しぼみたるポプラの葉
木枯の辻馬車に乗る早足に
木枯や鞭につけたる赤き切れ
洟かむや時雨日和をめでながら
短日や馬車を駆りたる小買い物
水鳥の夜半の羽音やあまたたたび
水鳥の暫し流れて羽掻きかな
水鳥に菜屑すてたり岸の家
水鳥や岸辺の家の今日も暮れ
河柳地に伏しなびく枯野かな
蠣船の薄暗くなり船過ぐる
いつまでも炭ひいてゐる音すなり
北風や石を敷きたるロシア町
人住みて門松立てぬ城の門
行年やかたみに留守の妻と我