和歌と俳句

平畑静塔

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金色に在す雪恋厨子の中

雪知らに三十二相黄金咲く

障子一重に山家匿ふものあるなり

まかげして杜氏太陽熱をよむ

埴輪には白息もなし黄泉の民

耳打の憂きこともがり笛の席

さむかぜに衝立の句碑無季を書く

松竹梅紙漉にあり竹の動

常にして死ぬまで楮剥くつもり

ぢぢさまは日向極楽紙干して

遠電話あまねくも雪積みてけり

炭焼夫否みて袖の雪払ふ

出来酒を下戸の一枚舌に聞く