金色に在す雪恋厨子の中
雪知らに三十二相黄金咲く
障子一重に山家匿ふものあるなり
まかげして杜氏太陽熱をよむ
埴輪には白息もなし黄泉の民
耳打の憂きこともがり笛の席
さむかぜに衝立の句碑無季を書く
松竹梅紙漉にあり竹の動
常にして死ぬまで楮剥くつもり
ぢぢさまは日向極楽紙干して
遠電話あまねくも雪積みてけり
炭焼夫否みて袖の雪払ふ
出来酒を下戸の一枚舌に聞く